中腹の道を高雄口の分岐を目指して歩いて行きます。
左手に見えるV字谷の下から雲が湧き上がってきます。
上空の雲も時折太陽を隠して、大きな影を作ります。
その時のムラが紅葉の斜面に模様を作り出します。
手前の低い稜線に光が当たり、
奥の紅葉の壁は影の中。
孤高の立木、一本。
枯れ木の白が印象的でした。
谷方向ばかりでは無く、時々は山頂方向も見てみよう。
雲が襲いかかるように湧き上がってきました。
高雄口の分岐点。
ここから下山方向へ。
一気に曇ってきました。
茶臼岳山頂ももう最後の砦。
ここから下り一辺倒になります。
下りだからきちょ楽だろうと思っていましたが、
足元はゴツゴツの石。
浮石は少ないものの落ち葉があって滑りそうです。
すっかり雲(霧)の中。
高雄口からの下山道はほぼ樹林帯なので
見渡しが悪いです。
晴れていて明るければ、紅葉の樹々など撮り様もありますが、
雲の中で薄暗いのでテンションダダ下がりです。
それでも何か撮りたい。
必死に被写体を探します。
探すのに必死になりすぎると、
足元が疎かになって何度か滑りかけました。
途中、一ヶ所だけ見晴らしがいい所に出ました。
僅か十数m程です。
晴れていればここも良さそうですが、、、。
今年の紅葉は、酷暑で葉が枯れ、色づきも悪いと聞きました。
ですが、厳正に選べば綺麗な状態の葉も有ります。
だいぶ降りてきた辺りですが、
少し樹林が切れて向こうが見えたので
霧の中の紅葉を意識して撮りました。
これは手前にある朱色の葉に弱い光が当たっていて、
奥の斜面は影の中。
朱色の葉の存在感を出してみたい。
所々に案内看板が設置されていましたが、
こっちのルートは人の通りが少ない為か、
随分と汚れて手入れされていない感じでした。
近付いて覗き込めば読めない事もありません。
今回の茶臼岳の行程で、半分以上が下り。
その最後に少しだけ上りが有ります。
100mくらい。
標高で。
下りは膝にダメージが蓄積します。
この最後の上り前辺りで、すでに足はボロボロ。
そしてその最後にトドメの上り。
「トドメを刺しに来やがった!」
そんな風に思いながら上ります。
そして本当に最後。
登り切るとスキー場のゲレンデに出ます。
オフシーズンのスキー場、ゲレンデはハゲ山。
ここはススキの野でした。
このゲレンデを横切り下りると、
まさに予定通り。
車を停めた道端に出ました。
これでこの日の撮影は終了。
今シーズンの紅葉一発目は多彩で、
今までに無い山岳紅葉が撮れました。
ただ、茶臼岳はロープウェイで上って、
ロープウェイで降りて来る方がいいかな。
と、思ったのでした。


















