異邦人 上下 | 暇人るうの携帯日記

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パトリシア・コーンウェル 検視官シリーズの15作目です。


最初は読んでいたけど今は・・・っていう方多いんじゃないでしょうか。



一応、列挙しますと・・・



1.検視官

2.証拠死体

3.遺留品

4.真犯人

5.死体農場

6.私刑

7.死因

8.接触

9.業火

10.警告

11.審問

12.黒蝿

13.痕跡

14.神の手

15.異邦人




登場人物というと・・・


ケイ・スカーペッタ 法医学者

ルーシー ケイの姪

マリーノ リッチモンド警察の刑事(最初は)

ベントン FBI心理捜査官(元)


この4人の成長と関係性の変化が

このシリーズの一貫したテーマです。

(ローズ(ケイの秘書)もいるけどね)



4人の関係に大きな変化が訪れます。

そのきっかけとなる事件が起こるのは「業火」


その後人間関係があまりにドロドロしてきて、

このシリーズ全体に暗い影を落としているのが気になります。



確かに、もう暗くて辛くて読んでられない。


正直、ケイは面倒くさい女だし、ベントンは何考えているかわかんないし

マリーノは不潔でやな奴だし、ルーシーはいやみなタカビー女


それぞれの人間性にも魅力が感じられん!!


そうなった人も多いはず。



そして今回、そんな4人に再び大きな転機が訪れます。


きっと、コーンウェルもこの人間関係にピリオドを打ちたかったのではないかと思いました。


その証拠に新たに数名、ケイの味方になりそうな人物が登場します。


ケイのプライベートな部分はあまりに生々しくて、

イコール作者コーンウェルの私生活を想像してしまうのは私だけでしょうか。





さてさてケイの仕事の部分、すなわち今回起こる事件ですが

そこだけ見ると意外にスケールが大きくクリアカットに解決された爽快な話です。




例によってぬるくネタばれしますと




生々しい殺人の描写

ローマで有名な女子テニス選手の異状死体発見

チャールストンで開業して2年のケイはこの事件の調査委託を受けます。


直後にチャールストンで身元不明の少年の死体発見

東洋系の老婦人の遺体が搬入される。

過去のヴェニスでのカナダ人観光客殺人との関連


それぞれ一見ばらばらの事件が淡々と語られていく。

それと同時に、周囲の人々の状況が早い場面展開で語られていく。

今回はいろんな怪しい人々がたくさん登場する。



堕落したマリーノ

葬儀屋ルーシャス・メディック

あばずれシャンディ

ローマの法医学者ポーマ大佐

ケイの隣人ミセス・グリムボール

イタリアに逃げた精神科医パウロ・マローニ

マクリーンに隠れているドクター・セルフ

少年の遺体発見者ブル

チャールストンのコロナーヘンリー・ホリングズ

殺されたテニス選手のコーチジャンニ・ルパーノ



それぞれが事件に関係あるのか?ないのか?

ケイの敵か?味方か?


その間にも「ウィル・ランボー」による事件は続く。



ヒルトン・ヘッド島別荘での殺人(と読者は知っている)事件



今回は進歩した最新法医学技術をふんだんに用いて事件に迫っていく。



そして、最後には登場した「怪しい人々」の正体も全て明らかになり、

敵はやっつけ、味方とは今後の展開が期待される形となった。



犯人側・ケイ側、同時進行で語られる物語の臨場感

どんどん切かえらる場面場面の伏線としての意味

専門的な医学・科学・心理学の描写




今回は今後の新たな展開に向けて、ふさわしいお話だったのではないかと思います。