読んだ本

哲学者内山節の世界
『かがり火』編集委員会
新評論
2014.08

 

ひとこと感想

哲学を学びながら農村(群馬県上野村)での暮らしを実践してきた内山のこれまでの生き方と考え、主要著作などがよくわかる本。いかに多くの人に愛され、尊敬されているのかがよくわかった。

 

キーワードは3つ。

 

1)労働

2)関係

3)共同体

 

「関係」とは「概念を基礎とした人間存在」のこと。「共同体」は「ローカリズム」のこと。

 

「上野村」という「現場」から考えているところに他の哲学者とは異なる特徴があるとする。

 

彼の考えについては、別の記事で書いているので、そちらを参照:

 

市場経済を組み替える 人間選書 内山節 編著 農山漁村文化協会 1999.07
http://ameblo.jp/ohjing/entry-12178742023.html

 

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目次      
第1章 「自著を語る」
内山節

 

第2章 ロングインタビュー・よりよく生きるために
歌野敬インタビュアー 内山節述
 

第3章 内山節対談

成長神話に惑わされない「里山資本主義」の暮らしかた 藻谷浩介、内山節

本当の偉人とは雇用を創る人のことである 塚越寛、内山節述
山村の暮らしに自信と誇りを取り戻した「東北農家の2月セミナー」 栗田和則、内山節述
小さな村が生き残るには総合力を高めるしかない 神田強平、内山節述
温泉は自然と人間の力強いつながりを取り戻すところ 鈴木義二、内山節述
本物の家具に囲まれて暮らせば人生が豊かになる 佐藤岳利、内山節述

 

第4章 エッセイ・私の好きな一冊
自然・労働・共同社会の理論 宇根豊
時間についての十二章 小栗康平
『自然と労働』「稼ぎ」と「仕事」の違いによって地域の情景が変わる 速水亨
共同体の基礎理論 青山彰久
『自然と労働』内山節さんの魅力 小山邦武
里の在拠 藤井浩
古典を読む 松本克夫
労働過程論ノート マルクス主義哲学の構築のために 増補新版労働過程論ノート労働主
体の構築のために 石橋浩治
「創造的である」ということ下地域の作法から 大黒宏
怯えの時代 神津多可思
日本人はなぜキツネにだまされなくなったのか 吉澤保幸
新・幸福論「近現代」の次に来るもの 中嶋初女
 

第5章 講演録「豊かな社会とローカリズム」
内山節

第6章 (三人委員会哲学塾―哲学塾が発足したころ;三人委員会哲学塾の十八年)
講演録 豊かな社会とローカリズム
三人委員会哲学塾 三人委員会哲学塾が発足したころ 榛村純一
三人委員会哲学塾の十八年 内山節、大熊孝、鬼頭秀一鼎談 ; 手塚伸司会

第7章 聞き書き・内山節年譜

鈴木江美留取材・構成


最初の書『労働過程論ノート』(1976年)から最新刊『新・幸福論』(2013 年)まで、主な作の刊行経緯を者自身が解説する『自を語る』。「仕事と稼ぎ」「作法」「関係性」「無事」「ローカリズム」などのキーワードを手掛かりに内山哲学の真髄に迫るロングインタビュー。哲学者が若き日を回想する「聞き書き・年譜」、対談、三人委員会哲学塾の歩みを振り返る鼎談、内山と親交のある各界の人たちによるエッセイ「私が好きな一冊」、講演録「豊かな社会とローカリズム」なども収録。