ジャズボーカル+ピアノの松井佳子さんという方から、今度、こんなギタリストと一緒にライブをやるの、と教えていただいた。

それが、関根彰良、だった。

この5年間、病気のネコの自宅での治療などもあり、なかなかライブに行く機会もなかったので、はじめて聞く名前だったのは言うまでもない。

いきなりライブで聴くのもおもしろいが、どんなプレイヤーなのだろうかと、何気なくYouTubeで名前を検索してみた。

すると、けっこう多くの動画がアップされているではないか。

タイトルを見ると、あまりスタンダードっぽくないのが並んでいる。トリオだったり、師弟Duoというものだったり、Lazy Khan with 関根彰良だったり、あと、なぜかMAYAという女性だったり、???、あれ「ジャズ」だよね???という印象だ。

本当に、最初は、何だこれは?という感じだったのだ。

しかし、「?」が「!」に変わるまで、そう時間を必要としなかった。

YouTubeの各楽曲を聴いていると、これぞ、ギタリストだ! というのが、私の最初の感想だ。

クラシック、フラメンコ、ロック、カントリー、フォーク、ブルース、ヘビメタ、プログレ、フュージョン、ジャズ、etc.それぞれの「ジャンル」内ギタリストというのは、山のようにいる。いや、それ自体は悪いことじゃない。素晴らしい。

だが、パット・メセニーがそうであるように、ギタリストである以上、自分が弾きたいもの、というのは、「ジャンル」をまたぐことが多々あると思うのだ。

彼の楽曲を聴いていると、あるときはジャズだが、あるときはロックであり、あるときはスパニッシュ、あるときはクラシック、という多重人格的な感じなのだ。

なんとなく、正統派の人たちというのは、「ジャンル」の内部で戦っているが、越境をするミュージシャンは、自らの「音楽」、自らの「楽器」、自らの「魂」で戦っているように思う。そこが格好良い。

さて、この、関根彰良のアルバム「Fuzz Jazz」であるが、ジャケットの裏面に映っている彼の写真、弾いているギターがフライングV風である。誰がどうみても、「ジャズギタリスト」というカテゴリーに収められない!

ほとんどがオリジナルであるが、サムシング(ビートルズ)、ソレア(スペイン・舞踏曲)、プレリュード・トゥ・ア・キス(デューク・エリントン)、自転車泥棒(ユニコーン)という一風変わった曲も収められている。

ベース、ドラムとのトリオがメインで、サムシングとかはアコースティックでソロ弾きをしている。ベースの高橋佳輝、ドラムの福森康という若手の2人がまた、すごく良い。息があっているというのはこのことを言うのだろう。

トリオ曲の大方の雰囲気は、ジェフ・ベックとジョン・スコフィールドとを合わせて、そのうえで、三者三様、多芸にあらやこれやとやらかしてくれている、という感じか。うまく表現できないが。

CDで聴くのはもちろん良いが、それ以上に、お勧めしたいのは、ライブである。

実は、12月15日(木)には、恵比寿のbaticaというところで、このトリオのライブがある。20時スタートである。行こうと思って気合いを入れていたのだが、残念ながら急用が入ってしまい、この日は飛行機に乗って旅立ってしまうのだった。次の機会は逃したくない、という思いである。

恵比寿 batica

行ける人は、是非!

CDも必聴!
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