もうかれこれ、10年くらい通い続けている、
劇団MCRの芝居

下北沢の駅前劇場

観客をはさんで中央が舞台

左は反転して親分の席になる
右は玄関とトイレ
中央はアパートの一室

ここは高校時代からずっと住み続けている部屋
そこに、彼女と暮らしはじめていたが、
その彼は今、追い詰められていた

自分のことに精いっぱいなのに、
なぜか高校時代の友人が訪ねてくるが、
その友人はかつての面影などなく、
おそろしいくらい体重が増えている

しかも彼女も同じように暑苦しい

高校時代の奴は、もっとこう、何か、
ひきつけるものがあったはずだ。。。

と、物語がはじまり、そして、終わっていった

高校時代の仲間たちとタラタラと時間をすごす、
という経験のない私には、なかなか感情移入はしにくかった

そもそも彼らの「友情」とは、一体、どんなつながりなのだろうか

死ぬ前に、もう一度会い、バンドを一緒にやる、そういう友、
その友とは、どんなつながりがあったのだろう

何人か一緒にいたにもかかわらず、なぜ、彼だったのだろう

今、ここにいることは、人のせいにはできない、
それは、よくわかる

しかしその中で、他者とどのようにかかわるのか、
MCRの芝居は、その基本線が、いつも、わからない

一言で言うと、ひねくれもの、なのだ

嘘つきで、乱暴者で、適当で、どうでもよくて、
自分にも、他人にも、関心がない

と、言いつつ、その奥底では、その真逆の心が
佇んでいる

一言で言うと、かっこつけたがりや、なのだ

本当に、おバカ、でも、憎めない

不思議だ


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