浦沢直樹という漫画家の作品とは、これまで、なかなか縁がなかった。

少し前に、唐沢、トヨエツ、香川照之など豪華な役者陣に目がくらんで、
映画を見てしまったのが運のつき。

もう気になって仕方なく、一気に、マンガをアマゾンで購入し読んだ。

そして読んで、また読んで、もう一回読んだ。

疲れたが、いい作品であることは間違いないのだが、
自分にとっての「お気に入りの作品」とは、どうしてもならなかった。

強いて言うなら、気に入らない作品でさえあると思う。

ただ、気になる作品なのだ。

まず、なんといっても、構成、展開の仕方が異常にうまい。
天才的である。

これは、いいのだが、モチーフというか、物語のテーマというか、
これが、しっくりこない。

結局は、オウム真理教が現実に行ったことをファンタジーにしたにすぎないのではないか?
そう、思ってしまうのだ。

もちろん、あの地下鉄サリン事件を中心とした一連の物語が、
いったい何であるのか、まだまだ考えていかねばならないのだが、
それを、少年時代の思い出との連接だけで展開してしまっては、
なんら「社会的」ではないのではないだろうか?

あの出来事を生み出したものが、1970年頃のクラス内の友達関係だけで考えてしまうことはできまい。
それは作者もわかっているとはおもうのだが、それでも、あまりにも「社会的」なものへのリーチがなさすぎる。

それが、とにかく引っかかる理由である。

仕方がないので、「MONSTER」を読みはじめた。

20世紀少年―本格科学冒険漫画 (1) (ビッグコミックス)/浦沢 直樹
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