名前はシロ。
真っ白な雪の中で生まれたからシロと名づけられました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151114/20/ohisama-niko-niko-korisu/5a/db/j/o0600040013483674636.jpg?caw=800)
シロはおとうさんとおかあさんを覚えていません。
生まれてまもない日に、おとうさんとおかあさんがいなくなってしまってから、
気がついたらシロはずっとずっとここにいて、一面の白い雪の世界で暮らしていました。
シロはずっとここにいれば、いつかきっとおとうさんやおかあさんに会えるとおもって、
いいえ・・・そう願いながら、ずっとずっとここにたたずんでいました。
くる日も、くる日も。
めぐる夏も、めぐる秋も、めぐる冬も、めぐる春も・・・。
ずぅっと、ずぅっと、ここにいました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151114/20/ohisama-niko-niko-korisu/71/9b/j/o0600040013483674635.jpg?caw=800)
シロはひとりぼっちだったけど、それでもさみしくはありませんでした。
真っ白なシロのふんわりとやわらかなからだに
真っ白な雪はふんわりとやわらかに降り注いでくれたから。
やさしくやさしく・・・
愛おしむように・・・
囁くように・・・
何度目かの冬の夜、雪はいつものようにやさしく舞い降りて
そうしてやさしく語りかけました。
シロや・・シロや・・
ピン・・・とシロのお耳は声がするほうを探します。
だぁれ・・・?
ぼくをよんだ・・・?
おとうさん・・・?
おかあさん・・・・?
シロ・・・わたしです。
いつもあなたを見守ってきた雪です。
今日はたくさんの雪の仲間たちと世界をすっぽりとくるみました。
そしてこっそりとお月さまにきてもらいました。
さぁ、お月さまのお船にのってごらんなさい。
きっと、あなたの願いがかないますよ。
シロはうなずいて、ちょこんと、お月さまのお船にこしかけました。
シロをのせたお月さまのお船はどんどんと空高く、天へと昇ってゆきます。
いろとりどりの星のひかりがキラキラと微笑みかけてきます。
キラキラ、キラキラと。
シロはうれしくなって空の世界を見渡しました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20151114/20/ohisama-niko-niko-korisu/5f/21/j/o0600040013483674637.jpg?caw=800)
空の世界はキラキラと、いろとりどりの光にあふれてそれはそれはきれいです。
シロはふと昇ってきた空の道を振り返りました。
すると、あんなに真っ白だった世界にも色とりどりの光があることに気付いたのです。
あ・・・ぼくのいたところ・・・あんなにきれいなんだ・・・
あんなにいろんな色があるんだ・・・・
お月さまも、雪たちもにっこりとほほ笑んでいました。
天に昇ると、そこにはずっと会いたかったおとうさんとおかあさんがいました。
おとうさんもおかあさんもシロをぎゅぅっと抱きしめてくれました。
やさしくやさしくなでてくれました。
シロ。
おとうさんとおかあさんはね。
もう、シロとはいっしょには暮らせないところにいるんだよ。
でもね。
いつだって、シロのことみているのよ。
ずっと見守っているの。
だからね、シロ。
仲間を探して一緒に野山を駆けてごらんなさい。
おまえのその手と足で、大地を歩いてごらんなさい。
きっといろんな楽しいことがあるから。
うん。
おとうさん、おかあさん、ぼくね。
はじめてお月さまのお船にのって空の上から見たときにね。
はじめて見たんだよ。
はじめて思ったんだ。
ぼくのいる世界はなんだかとっても楽しそうだなぁって。
おとうさんとおかあさんはにっこりとうなずきました。
そして、おかあさんがシロをぎゅうっと抱きしめて、
おとうさんはシロとおかあさんをしっかりと抱きしめました。
お月さまと雪たちと星たちが見守っている中で・・・。
「ぼく、行くね。」
それからいくつかの季節がめぐり、春の名残の雪が舞う頃のこと。
二人並んでいました。
あたたかな雪がやさしく降っていました。
![love art](https://stat.ameba.jp/user_images/20151114/23/ohisama-niko-niko-korisu/c2/93/j/o0600040013483859397.jpg?caw=800)
去年の秋のアトリエの時間に、みんなでうさぎさんの絵を描きました。
出来上がった絵をみんなで見ては、可愛い可愛いって。
本当にあんまりにも可愛くて、そしてみんな幸せそうだったので、よし。と、
物語をつけることにしました。
途中、あれれれ?と哀しい物語になりそうなところをヨッコラショと立て直して(笑)
物語の出来上がった後も、お話に合わせた絵を描いてくれた方もいて、
可愛らしい幸せはまだまだ続いているようです。
今年はパステルのレッスンはほぼなくなるから、その代わりに?
物語絵のワークショップを企画しようと思います。
まだいつかははっきりとはしないのだけど、できるとしたら春先ぐらいでしょうか。
みんなで絵を描いて、物語をつけて、
そうして本を作ろうかな。
そしてその先もイメージングしていたりして。
ふふふな年明けです。
決まったら、ご案内しますね。
できるといいなぁ^^