やまとうたは人の心を種として よろづの言の葉とぞなれりける
古今和歌集 仮名序
何度となく臨書した手本で、子供の頃から不思議と心に響くものがありました。
やまとことば。
やまとうたは人の心に育つうた。
それは誰もが個々の中で育てることが出来る種。
種から芽が生まれ出で、天の恵みや大地の慈しみ
人の愛情をたっぶりと受け入れながら育ってゆくもの。
種は。
「タネ」は誰もの内にある。
大いなる宇宙の懐から自然のままに生まれ出でたその瞬間から。
はじめから、「タネ」は誰もの内にある。
「タネ」は永久(とこしえ)に失われることはない。
そうして「タネ」は待っている。
いつか、花咲く日を。
いつか、その枝(身)に花を咲かせ、実を成らし、
豊かな世界(うた)を紡ぎあげる日を。
そうて、また、次の世界へと、希望の「タネ」を繋いでゆく。
やまとうたは人の心を種として よろづの言の葉とぞなれりける