雲は帰る家もなく遥かなる峰を愛す 山鳥、時に来たりて歌うこと一奏。 山猿、軽く跳ねて伎は倫に絶す。 春華、秋菊、笑って我に向かい、 暁月、朝風、情塵を洗う。 「山中有何楽」 法身何くにか在る。 遠からずして即ち身なり。 智体云何ぞ。 我が心にして甚だ近し。 「於東大寺供養三宝願文」 あるがごとくの自然を愛し、 そこに息づく命を愛し、 心は遥か宇宙へと向かいながら この身そのままで 今ここに命を歌う。 永遠も真理もいま将に身の内に。 空の如く。 海の如く。