骨粗鬆症は予防が可能な病気です。

 

一つ目の予防は骨粗鬆症にならないようにすること

 

二つ目の予防は骨粗鬆症の人が骨折をしないこと、一度骨折した人が次の骨折を起こさないことです。

 

骨粗鬆症にならないためには、まず現在のご自身の骨密度を知っておくことが大切です。日頃の食事や運動について考える良いきっかけにもなります。

 

骨粗鬆症検診は区市町村単位でおこなわれており、健康増進法という法律のもと、40~70歳の女性に5歳刻みで実施されています。自治体によって独自に性や年齢を拡大して行っているところもあります。また、自治体以外にも健康保険組合などが行う骨粗鬆症検診もあります。

男性や女性の対象外年齢の方で骨粗鬆症のリスクのある方は保険診療で検査を受けることができます。

 

骨粗鬆症の画像検査

DXA(デキサ)法・・・腰椎、大腿骨、橈骨

超音波法・・・踵

MD(エムディ)法・・・手

 

が挙げられます。

その他、身長測定、採血にて血液中のマーカー測定する方法もあります。

 

おすすめの画像検査としてはDXA(デキサ)法を用い、腰椎(背骨)と大腿骨頸部(太ももの付け根の部分)の骨密度を測定する方法です。骨粗鬆症検診を利用される場合は腰椎(背骨)の骨密度のみ測定する形になります。

妊娠中の方は超音波法が被爆がないので安全です。

 

今の時点で骨に自信がある方も検診をおすすめします。今後のための比較材料として残しておけるからです。

特に以下の方は症状がなくても骨密度測定をおすすめします。

高齢者65歳以上

加齢によって、腸でのカルシウムの吸収が悪くなります。そのため食事で若いころと同じ量のカルシウムをとっていても吸収される量が減り、骨がもろくなる原因になります。

閉経後の女性

女性ホルモンには骨密度を保つ働きがあります。女性は、閉経を機に女性ホルモンの分泌量が急に減少するため、骨量が減少します。

 

出産後授乳歴の長い人

 

骨密度の減少を抑える女性ホルモンの分泌が急激に減少します。複合的なリスクをお持ちの人は注意です。

過度のダイエットをしたことのある人

カルシウムなどを含めた栄養素が不足しやすく、骨が弱くなります。特に骨が成長する10歳代での過度のダイエットには大きな問題があります。骨量は20歳代で最大になるのですが、この時期に骨量が十分な量に達していないと、閉経後の早い時期に骨粗しょう症を起こしやすいことがわかっています。骨の量は25歳くらいまで増え続けますが、それ以降は年齢とともに減少していきます。いわば成長期は「骨貯金」の時期。その大切な時期に、うつ病や、無理なダイエット、運動不足などで骨量を増やせないと、生涯にわたって骨粗しょう症のリスクが高まってしまうのです。

運動不足

運動で体に適度な負荷をかけると骨芽細胞が活性化し、新しい骨を作る働きが促されますが、運動不足だと丈夫な骨が作られなくなります。

喫煙者

喫煙はエストロゲンの分泌を低下させるので、骨量が減ります。

過度の飲酒

過度の飲酒は骨芽細胞の働きを妨げ、骨を作る働きを低下させます。

糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病がある人

インスリンには骨芽細胞を増やす作用がありますが、糖尿病では、インスリンがうまく働かないので骨芽細胞が不足し、骨を作る働きが低下します。また、慢性腎臓病があると、血液中のカルシウム不足を補うために骨からカルシウムが溶け出し、骨量が減少します。

骨粗鬆症や骨折の家族歴がある人

骨に関しても遺伝性があります。

ご自身の骨折のリスクがわかる計算ツール FRAXがありますのでぜひご活用ください。