RSウィルス感染症とは

その名の通りRSウィルスにより引き起こされる呼吸器感染症です。2歳頃までにほぼ100%が感染し、生涯に渡り何度も感染と発症を繰り返します。

潜伏期間4-5日、発熱、鼻汁、咳などのいわゆる風邪症状が出ます。ウィルスなので特効薬はなく、ご自分の免疫の強さが大切となります。成人の多くは軽症ですみ、数日で回復しますが、一部で急性気管支炎、肺炎に至ることがあります。

まだお母さんの免疫が残っていて風邪を引きにくいはずの乳児でもRSウィルスにかかることがあり、その場合、重症化します。

その他、高齢者2歳以前のお子さん、基礎疾患(特に喘息2-3.6倍、COPD3.2-13.4倍、心疾患4-30倍、糖尿病2.4-11.4倍、そのほか免疫低下がある方)をお持ちの方も重症化します。

 

肺炎で入院する高齢者の原因を調べると、肺炎球菌が悪さをしていることが多いのですが、肺炎球菌感染は免疫低下で2次的に感染することが考えられており、免疫低下の入り口RSウィルス感染症であることが実は多いのです。

 

風邪のお孫さんを預かって、自身がRSウィルスに感染して、具合悪くなり、最悪肺炎で入院するということがありうるということです。

 

RSウィルスに対するワクチン アレックスビーが2023年9月に承認され、接種可能となりました。

今のところ60歳以上の基礎疾患をお持ちの方におすすめしたいと思います。

研究は現在進行中ですが、一回接種で2シーズンは効果あり、今後3シーズンも問題ないのでは、というデータが出ています。

風邪をひかない基礎疾患を悪化させない、予防でできることはぜひおすすめしたいです。

 

ちなみに、重症化しやすい2歳以下のお子さんに対しても2024年1月にRSウィルスワクチン シナジスが承認されました。

今後妊婦さん対象のRSウィルスワクチン アブリスボも承認される予定となっています。

RSウィルスがかなり注目されている証拠です。

 

お気軽にご相談ください。