新しい痛み止めの貼り薬 ~ジクトル®テープについてお知らせします

 

その前に

1.湿布の種類と特徴 

関節や腰・肩の痛み止めに使われる貼り薬、いわゆる“湿布”と呼ばれるものにはパップ剤 テープ剤の 2 種類があります。この 2 つにはそれぞれ特徴があり、貼る部位や患者さまの使用 感にあわせて使い分けされています。違いとしてはパップ剤は水分を含むため局所の冷却効果があり、反対にテープ剤は水分を含まないため冷却効果はありません。その代わり、パップ剤は厚く、剥がれやすく(皮膚刺激は少ない)、一方でテープ剤は薄く、粘着力も強いです。 共通する特徴として「局所作用(貼った場所に効果がある)」であることが挙げられます。 湿布剤は貼り薬ですが何枚も貼って良いと勘違いする方がおられます。

基本1日2枚までです。

 

2.ジクトル®テープについて 2022 年 6 月、腰痛、肩こり、腱鞘炎などに使える貼り薬として 「ジクトル®テープ」が登場しました。これは今までのいわゆる “湿布”と異なり、「全身作用(貼った場所以外にも効果がある)」 の薬です。今回はこの貼り薬について詳しく紹介します。 

・どんな薬? 経皮吸収型(貼った場所から薬の成分が血液に吸収され、血液の流れに乗って全身に運ばれる 全身性)の消炎鎮痛薬(痛み止め)です。 成分名はジクロフェナクナトリウムで、1 日 1 回貼ることで、従来の飲み薬を内服するのと 同じように全身の痛み止め効果が得られると言われています。 つまり腱鞘炎で手首や肘が痛い、肩も痛い、腰も痛い、けど従来の湿布は2枚までしか貼れない!!という方には必見で、1箇所に貼れば、血液に乗った成分が全身の痛みに効いてくれるのです。見た目は今までの湿布によく似ていますが、全身に効くという点で全く異なる薬です。 他の消炎鎮痛薬(痛み止め)との併用は避けることが推奨されています。 従来の湿布、貼付剤の併用は可能です。

 

・メリットは? 薬を飲みこむ力が弱い人でも使える痛み止めです。 1 日 1 回貼ることで寝ている間なども効果が切れること無く持続することが期待できます。 従来の飲み薬よりも胃を荒らしにくい、肝臓腎臓にも優しいと言われています。 

 

・気を付けること ジクトル®テープは貼る部位を「胸部、腹部、上腕部、背部、腰部または大腿部」と決められ ています。例えば、手首が痛いからと言って手首の関節に貼ってしまうと、薬が正しく体に取り込まれず、本来の鎮痛効果が現れなくなることも考えられます。かならず医師の指示に従って、 上記のいずれかの部位に貼るようにしましょう。 また、テープ剤は皮膚刺激性が強いため、同じ部位に貼り続けると皮膚障害が起こるおそれが あります。貼る部位は毎日変えるようにしましょう。従来の湿布でかぶれてしまう方にも朗報であり、毎回貼る場所を変えられる!というのもメリットですよね。

 

お試ししたい方、お気軽にご相談ください。