身の丈経営:ヲタ活とクラブ運営の共通点② | ハロヲタな蹴球生活

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モーニン娘。をきっかけにハロプロにハマった蹴球人のブログです。

ヲタ活と同じように、サッカークラブの経営においても身の丈経営が大切になります。

毎年オフシーズンになると大型補強が話題となり、J1クラブへのスター選手の加入や強豪クラブ間の移籍はもちろん、近年では有名選手のJFLや地域リーグと言った下部リーグへの移籍が注目を集めることも珍しくありません。

しかし、補強後の動向を見ていくと、大型補強がそのまま好成績に繋がるケースは多くなく、逆にチームのバランスが崩れて低迷してしまうことも珍しくありません。

 

2023年のJリーグにおいて大型補強で話題になったのが、J2からJ1への昇格を果たし町田ゼルビアでした。Juice=Juiceの井上玲音ちゃんが宣伝大使を務めており、ハロヲタにも馴染みのあるクラブです。そんな町田が大型補強を成功に繋げた背景には、クラブ全体の身の丈の成長があるように思います。

 

2018年のサイバーエージェントによる経営参画以降、クラブ規模の拡大に乗り出すと、補強や環境整備を順次進め2022年には練習場とクラブハウスを完成させます。同年末には、強化スタッフと監督の一掃、そしてオーナーであったサイバーエージェントの藤田晋氏の代表取締役兼CEOへ就任すると、J1昇格に向けた大型補強を敢行します。

目玉となる外国人選手の獲得や日本人選手の補強はもちろん、チームを支える強化部やコーチングスタッフも一新しました。

特に注目を集めたのは、青森山田高校の監督であった黒田剛氏の招聘ですが、黒田氏の招聘以上に彼を支えるコーチン陣は非常に豪華で、鳥栖で監督として活躍した金明輝ヘッドコーチを筆頭に、Jリーグでの実績豊富なスタッフを揃え、シーズンに臨んだ結果、見事に初のJ1昇格を果たしました。

経営基盤、資金力、フロントスタッフ、トレーニング環境、指導陣、そして選手と、クラブ全体の身の丈を成長させたことが昇格の最大の要因であるように感じます。

 

町田とは逆に、全体のパイが大きくならない状態で補強を進めてしまうと、クラブ全体のバランスが崩れてしまうことが起こりえます。例えばいくら資金力があって有力な選手を集めようとしても、十分なトレーニング環境やメディカルの体勢が整っていなければ、高い報酬を提示した所で選手の獲得は出来ません。また、有力な指導者を連れて来たとしても、その要求に応えられるだけの選手や、周りのスタッフがいなければ、指導者は本来の力を発揮することは出来ません。

大型補強は話題性やインパクトという点で短期的な効果は高いモノですが、それがクラブの長期的な発展に繋がるのかを経営陣は良く見極める必要があるのではないでしょうか。

 

ハロプロは今、黄金期のように世間の注目を一心に集めるような状況ではありません。しかし、メンバーがスキルを磨き伝統を受け継ぎ続けた結果、25年の歴史を重ねアイドル界で押しも押されもせぬ確固たる地位を気付き上げました。これは、世間の注目に一喜一憂せず、歌とダンスのパフォーマンスを基盤にした活動があってのことです。

サッカークラブがハロプロ25年の歴史から学べることは少なくないように感じます。