十二月。今年最後の月。

いよいよ公演は10日後。

 

「言の葉玉手箱」、六回目になりますが、十二月の開催は初めてです。

その季節の言の葉をお届けする、というコンセプトでやっていますから、今回は年の瀬にふさわしいニ作品に取り組んでいます。

 

その一つは、『賢者の贈り物』

O・ヘンリーの短編集のなかでも、とくに好きな作品です。

 

子どものころに初めて絵本を読んだのですが、その言葉の美しい運ばれ方に魅せらせてしまいました。とくに、デラがジムへの贈り物を選ぶ―その描写が本当に素敵で、子供心に、誰かに贈り物を選ぶときにはいつもこうしたいと思ったのでした。また、もう少し時がたってからは、自分が物を買うとき、それは自分の形容に合っているだろうか、もしくはそれに見合うような自分をめざせるだろうか・・・そんなことを思うようになりました。

 

 ひと目見たとたんにデラは、これこそジムのものだと悟ったのでした。まるでジムみたいです。控えめで品のある―その形容がジムにも鎖にもぴったりです。

 

さて、あらためてこの作品に向き合うにあたって、気になって読み直した絵本がありました。

読もう、として見つけたのではなく、気がついたらこの二冊が目の前にあらわれてきてくれました。

 

『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』

  ウルグアイのムヒカ大統領のリオデジャネイロの国際会議での演説です。

 

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 貧乏とは少ししか持っていないことではなく、無限に欲があり、いくらあっても満足しないことです。
 

 

『パパラギ』

 はじめて文明を見た南の島の酋長ツイアビが話したこと。

 「パパラギ」とは、文明国といわれる人たちのこと。

 

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曇りのない目で見たことを生まれたままの心で語るツイアビの酋長の言の葉。

もともとは白人のことだった「パパラギ」は、いまや先進国と呼ばれる国のすべての人々を指しているでしょう。

 

 私はパパラギに呼びかけよう。

 近づくな。

 ほかの人びとより豊かになりたいという欲や、意味のないたくさんのことや、やたらにものを作ることや、なんにもならない知識など、そういうガラクタを持って私たちに近づくな。

 そんなものは私たちに必要がない。私たちは自然の大きな力からたっぷりいただいた美しい喜びで、じゅうぶん満足している。

 自然の大きな力は、私たちが迷わないように、光で道を照らしてくれる。

 自然の大きな力が照らす光。それは愛しあう心、あいさつをいっぱいたくわえた心のことである。

 

 

 

そして『賢者の贈り物』。 稽古、しています。

 

デラとジム。

 

 この二人こそは、もっともかしこかったのです。

 

 

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チケットご予約受付中!!!

『言の葉玉手箱 其の六』

12月10日(土) 14:30/18:30

 出演 岡崎 弥保  迫 希実秀

驢馬駱駝ろまらくだ 3500円(1ドリンク付)

http://ohimikazako.wixsite.com/kotonoha/blank-22