プロダクトの観点から大別すると、現在の卓上カレンダー生産方式はインテグラル(擦り合せ型)に近いと思われます。
もちろん、工業製品に比べると部品構成は各段に少ないので、単純比較はできませんが、生産の概念としては当てはまると思います。

現在のカレンダー生産におけるインテグラルは、概ね大量生産の場合に適していると思われます。
季節商品であるカレンダーは、インテグラル生産方式を適用する事で納期に対しても対処する事ができます。
ただ、作業の効率化が図れる一方で、自由度は制限されがちです。

一方、近年のカレンダーの製作に対して、お客様からは、より高い自由度が求められています。
それは、構造や機能の自由度ではなく、どちらかと言うと「考え方」や「魅せ方」の自由度です。

決まった型(生産ルール)に従って生産するインテグラル方式では、自ずと完成品が「一義」に集約してしまう可能性があります。効率化を図る為に、構成要素に「制限」をかけてしまうからです。

例えば、卓上カレンダーの一つのスタイルに「ケース式」がありますが、そのほとんどが「ケース」の形状により用紙やデザイン等のその他の構成要素に制限がかかります。これはリング式など、他のスタイルも同様です。
そして、現在の卓上カレンダーの製作の起点となるものがそれになります。

そこで弊社では、現在の顧客ニーズに合わせた仕組みとして「モジュール化」に取り組んでいます。
ここではモジュール化についての詳細を割愛させて頂きますが、「インテグラル」と「モジュール」の概念を使い分けて、よりフレキシブルに対応できるように心掛けていこうと考えています。