人生の目的その3 | 坂道のない街(書評サイト)

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人間の関係 (ポプラ文庫)/五木 寛之
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人生の目的、それは「生きること」

これは先日読んだ五木先生の本から吸収した言葉。
人生に目的なんてない、強いて言えば生きること。
なんだかくすぐったいような結論だけど、心の中で繰り返し唱えてみると
意外としっくりくるのは僕だけだろうか。

そして、この言葉を吸収して以来、どう生きるのが自分らしいのか考えるようになった。

最近の僕はあまり人間関係がうまく行っているとは言えず、とはいえ自分が間違っていると
思えないことが多い。
人にいろいろ期待しすぎているからだろうか。

ところでこの本を読んで以来、一日の中で「うれしかったこと」「悲しかったこと」「ありがとう」
と感じたことをつけるようにしている。
これは五木先生が鬱から抜け出すためにとった方法である。
このうち「悲しかったこと」でよく書くのが電車のマナー

・順番を守らない
・周りに聞こえるくらいの音を出してテレビを見ている
・新聞を全開にして読む
・足を踏んでも謝らない

ほぼ毎日のようにこんな悲しい出来事が起こってしまう。
この本に書いてたけど
「信頼とはされることではなく、すること。」

総じてぼくは人が信頼できなくなっているのだろうか。
こんなことも書いてあった。

「100%信じられるわけがない、だが、100%の人間不信も間違っている」
「95%信じられなくても5%くらい信じればいいのではないか」

いろんな悲しい出来事はおこるけど、どこかでわざとじゃないから許そうって
思えばこの辛さは乗り越えられるだろうか。
1%ずつでも信じることを試してみよう。

あと、この本でとっても印象に残ったのが「国民総幸福度指数(GNH)」の話。
日本では毎年自殺で何万人もの人が亡くなっている。
一方でブータンではGDPは低いが自殺率が非常に低く、GNHの重要性を
国を挙げて大事にすると宣言している。

ところで、僕は最近ある試験を受けたときこんなテーマの論文を書いた。
「安心して生活できる街について論ぜよ」

確かこの論文を書いたときは、脳内出血を併発した妊婦が何件もの病院から受け入れを断られて
亡くなったという話を元に展開して医療を平等に受ける権利について論じた。

今でもその気持ちに変わりはないが、この本を読んで以来日本の危機的な状況を考えるようになった。
今の日本には医療の問題もあるし、経済の行き詰まりによる雇用の問題もある。
それに対して定額給付金や補正予算による経済対策もいいだろう。
ただし、どこか根本的なところで日本は大きく間違った方向に進んでいるのではないかと感じてしまう。

問題を解決する場合真っ先にお金が絡む話になるということである。

「安心して生活できる街」を考えたとき、確かに医療、介護、雇用の充実は欠かすことはできない。
しかしながら、人と人との関係が多様化している今日の状況にあってむやみやたらにお金を
ばらまくことは根本的な解決になっているのだろうか。

僕はある意味で横のつながりが気薄になった現代においては人と人とのつながり、ネットの掲示板や
メールだけではない心のつながりをどうつないでいくかを考えなければならないと思うし、今の政府の
やりかただと臭いものをお金でふたをしている状況にしか思えてならない。

たとえば医療の問題でも、医者の立場に立てば自分の身内が脳内出血で運ばれてきたら是が非でも
助けるだろうし、自分の身内で失業者がいて食うに困ってたら助けるだろう。

個々が独立してしまった現代において人は人、自分は自分。そんな人間関係が気薄な状況では
どんなにお金をつぎ込んでもまた同じ問題がおきる可能性を秘めているのではないかと思う。

つまり、前述したとおり電車内でのマナーひとつとっても人とうまく関わっていく方法について
忘れ去られようとしているのではないだろうか。
(うちの会社でも挨拶すらしない人もいる)

社会のいろんな複雑な問題は実は人間の関係がうまくいけば解決するんじゃないかと思ってしまう。

「安心して生活できる街」

僕の今の答えは「人と人との繋がりが濃い街づくり」にあると思う。
そんなことをテーマにした政策がひとつくらいあってもいいんじゃないかと思うし、何でも役所に頼るので
はなく我々からそのような繋がりを自発的に築いていかなければならない程、危機的な状況にあると思う。