山頭火の「行乞記」昭和7年ー1/10 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
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【南無大師遍照金剛】 * 7

一月十八日

 晴、行程四里(佐賀県)浜崎町、栄屋(二五・中)

宇佐-25


霜、あたゝかい日だつた、

九時から十一時まで深江行乞、

それから、ところ/″\行乞しつゝ、ぶら/\歩く、

やうやく肥前に入つた、宿についたのは五時前。


福岡佐賀の県界を越えた時は多少の感慨があつた、

そこには波が寄せてゐた、

山から水が流れ落ちてゐた、

自然そのものに変りはないが、

人心には思ひめぐらすものがある。


筑前の海岸は松原つゞきだ、

今日も松原のうつくしさを味はつた、

文字通りの白砂青松だ。


左は山、右は海、

その一筋道を旅人は行く、動き易い心を恥ぢる。
松の切株に腰をかけて一服やつてゐると、

女のボテフリがきて

『お魚はいりませんか』深切か皮肉か

とにかく旅中の一興だ。


在国寺といふ姓、大入といふ地名、

そして村の共同風呂もおもしろい。
此宿は悪くないけれど、うるさいところがある、

新宿だけにフトンが軽くて軟かで暖かだつた

(一枚しかくれないが)。


いつぞや途上で話し合つた若い大黒さんと同宿になつた、

世の中は広いやうでも狭い、

またどこかで出くわすことだらう、

 

彼には愛すべきものが残つてゐる、

彼は浪花節屋なのだ、

同宿者の需めに応じて一席どなつた、

芸題はジゴマのお清!

 

一年ぶりに頭を剃つてさつぱりした、

坊主にはやつぱり坊主頭がよい、

床屋のおかみさんが、

ほんたうに久しぶりに頭を剃りました、

あなたの頭は剃りよいといつてくれた。

 

・波音の県界を跨ぐ

 

落つればおなじ谷川の水、

水の流れるまゝに流れたまへ、かしこ。

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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