山頭火の「行乞記」昭和7年ー1/4 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

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弘法大師・法然上人・親鸞聖人などの魅力を紹介してます。

【南無大師遍照金剛】 * 7

一月七日

 時雨、休養、潜龍窟に蛇が泊つたのだ。

宇佐-25
雨は降るし、足は痛いし(どうも脚気らしい)、

勧められるまゝに休養する、

遊んでゐて、食べさせていたゞいて、

しかも酒まで飲んでは、

ほんたうに勿躰ないことだ。

 

・松のお寺のしぐれとなつて
・遠く近く波音のしぐれてくる

 

一月八日

 雪、行程六里、芦屋町(三〇・下)


ぢつとしてゐられなくて、

俊和尚帰山まで行乞するつもりで出かける、

さすがにこのあたりの松原はうつくしい、

最も日本的な風景だ。


今日はだいぶ寒かつた、

一昨六日が小寒の入、

寒くなければ嘘だが、

雪と波しぶきとをまともにうけて歩くのは、

行脚らしすぎる。

 

・木の葉に笠に音たてゝ霰
・鉄鉢の中へも霰

 

こゝの湯銭三銭は高い、

神湊の弐銭があたりまへだらう、

しかし何といつても、入浴ほど安くて嬉しいものはない、

私はいつも温泉地に隠遁したいと念じてゐる、

そしてそれが実現しさうである、万歳!


この宿もよくない、

ボクチンには驚ろくほどのちがひがある、

すまないと思ふほど優遇してくれるところもあれば、

木石かと思ふほど冷遇するところもある

ボクチンのいゝところは、

独善主義でやりぬけるところだらう。


同宿の二人の朝鮮人のうち、

老鮮人は風采も態度もすべて朝鮮人的で好きだつた、

どうぞ彼の筆が売れるやうに。
もう一人の同宿者もおもしろかつた、

善良な世間師だつた、

相当に物事を知つてる人だつた、

早くから床を並べて話し続けた。


途上で、

連歌俳句研究所、何々庵何々、

入門随意といふ看板を見た、現代には珍らしいものだ。

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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