山頭火の「行乞記」昭和6年ー1/8 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

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【南無大師遍照金剛】 * 7

一月十日 

雪が積んでゐる、まだ降つてゐる、風がふく、寒く強く。
宇佐-25
近来にない寒さだつた、

が一時に押し寄せたやうだつた、

手拭も葱も御飯も凍つた、

窓から吹雪が吹き込んで閉口した。


ありがたいことには炬燵があつた、

粕汁があつた。
朝湯朝酒は勿体ないなあ。
今日は金比羅さんの初縁日で、

おまゐりの老若男女が前の街道をぞろ/\通る、

信仰は寒さにもめげないのが尊い。


隙洩る風はこの部屋をいかにも佗住居らしくする、

そしてその風をこらへて、

せくゞまつてゐる自分をいかにも佗人らしくする。……


寒いにつけても、

ルンペン時代のつらさを思ひ出さずにはゐられない。
酒ほどうまいものはない、

そして酒ほどにがいものはない、――

酒ではさんざ苦労した、苦労しすぎた。……

 

 雪の葉ぼたんのしゞま
 さら/\ふりつむ雪見ても
 雪夜、隣室は聖書ものがたり
ヤスかヤスかサムかサムか雪雪
(ふれ売一句)
 吹雪吹きこむ窓の下で食べる


 一月十一日 曇つて晴れる、雪の後のなごやかさ。

いつものやうに、御飯を炊いて、

そして汁鍋をかけておいて湯屋へ。――


あんまり寒いから一杯ひつかける、

流行感冒にでもかゝつてはつまらないから、

といふのはやつぱり嘘だ、

酒好きは何のかのといつては飲む、

まあ、飲める間に飲んでおくがよからう、

飲みたくても飲めない時節があるし、

飲めても飲めない時節がある。……


事実を曲げては無論いけない、

といつて、

事実に囚へられては、また、いけない

(句作上に於て殊に然り)。

 あるだけのものを着てあたゝかうをる


・かあいらしい雪兎が解けます
・豆腐屋さんがかちあつた寒い四ツ角
 雪の朝の郵便も来ない
 雪の夕べをつゝましう生きてゐる
・逢うて戻ればぬかるみ
・十分に食べて雪ふる
 雪の夜半の誘惑からのがれてきた
 寒空、二人連れは男と女

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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