一月六日 雨、何といふ薄気味の悪い暖さだらう、
そして何といふ陰欝な空模様だらう。
昨日は大金(今の現状では)を費つたが、
今日は殆んど費はなかつた、
切手三銭と湯銭三銭とだけ。
隔日に粥を食べることにしてゐる、
経済的には僅かしか助からないけれど、
急に運動不足になつた胃のためにたいへんよろしい。
次郎さんに手紙を書いた、――
その心中を察して余りある事、
感傷的になつては詰らない事、
気持転換策として禅の本を読まれたい事、
一度来訪ありたき事、等、等。
苦痛のために身心を歪曲されるやうでは駄目だ、
人生といふものはおのづから道が開けてくるものである、
といふよりも、
人間は自分自身の道を見出さずには生きられないのである。
干し物そのまゝにしてしぐれてゐる
・ま夜中、熱いものをすゝる
・食べるもの食べつくしてひとり
とりわけてうつくしい葉ぼたんの日ざし
・ぬくい夜の赤児へ話しかけてゐる
一月七日 曇、后晴、寒くなつた、冬らしくなつた
(昨日から小寒入だ)
銭がなくなつた、
餅もなくなつたし米もなくなつた
(銭は正確にいへば、まだ十三銭残つてゐるが)。
朝は腹も空いてゐないからお茶を飲んですます、
午後は屑うどんを少しばかり買つて食べる、
夜は密柑の残つたのを食べる、
お茶がやつぱり一等うまい。
昨日も今日もアルコールなしだつた、
飲みたいとも思はなかつた、
私もやつとアルコールだけは揚棄することが出来らしい、
そして昨日も今日も私一人だつた、
訪ねてもゆかず、
訪ねてくるものもなかつた、
たゞ一人ぢつとして読んでゐた、
考へてゐた、そして平静だつた。
・お茶でもすませる今日が暮れた
・散つては咲く梅の水かへる
寒うなつて葉ぼたんうつくしい
生活の御詠歌うたふも寒いこと
・音たてゝ食べる夜の人
・街の雑音の密柑むく
・星が寒う晴れてくるデパートの窓も
・いちりんのその水仙もしぼんだ
尿する月かくす雲のはやさよ
寒月の捨犬が鳴きつゞける
(青空文庫作成ファイル)より
(続きます)
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今日も命を授けていただきありがとう (^-^)
二度とない人生
だから 今日が大事、今日が大切
今日もいい日でありますように 【合掌】
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