山頭火の「行乞記」昭和5年ー12/17 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

御先祖の御加護に感謝をし
日本百観音などを参拝の後
お四国を錦札で巡拝できる喜びを感じて
弘法大師・法然上人・親鸞聖人などの魅力を紹介してます。

【南無大師遍照金剛】 * 7

十二月廿七日 晴、もつたいないほどの安息所だ、この部屋は。
宇佐-25
ハガキ四十枚、封書六つ、

それを書くだけで、

昨日と今日とが過ぎてしまつた、

それでよいのか、許していたゞきませう。


……やうやく、おかげで、

自分自身の寝床をこしらへることができました、

行乞はウソ、ルンペンはだめ、……

などとも書いた。


前後植木畠、葉ぼたんがうつくしい、

この部屋には私の外に誰だかゐるやうな気がする、

ゐてもらひたいのではありませんかよ。
数日来、あんまり歩いたので

(草鞋を穿いて歩くのには屈托しないが

下駄、殊に足駄穿きには降参降参)、

足が腫れて、

足袋のコハゼがはまらないやうになつた、

しかし、それもぢきよくなるだらう。

 

・師走のポストぶつ倒れゐた

 自分の家を行きすぎてゐたのか
 タドンあたゝかく待つてゐてくれた

 夜ふけてさみしい夫婦喧嘩だ

 

附記、昨日Iさんを訪ねたが会へなかつた

(先日も訪ねたが、さうだつた)、

多分居留守をつかつてゐるらしい、

Iさんは私と彼女との間を調停してくれた人、

私がこんなになつたから腹を立てゝ愛想をつかして、

面会謝絶と出たのかも知れない、

子供は正直だから取次に出た子供の様子で、

そんなやうに感じた、――とにもかくにも、

それでは、

Iさんはあまりに一本気だ、

人間を知らない、――

私はIさんのために、

居留守が私の僻みであることを祈る、

Iさんだつて俗物だ、俗物中の最も悪い俗物だ、

プチブル意識の外には何物も持つてゐない存在物だから。

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆  

 

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

日本ブログ村に参加しています
こちらのバナーをクリックすると

大勢の方のお遍路ブログが覗けます 

お寺好きの方 ぜひクリックしてね。

  ダウン     ダウン               ダウン

 にほんブログ村 旅行ブログ 遍路(・巡礼)へ  にほんブログ村 ポエムブログ 詩集へ ブログランキング・にほんブログ村へ

クリック有難う御座いました