山頭火随筆集ー2 | 安 明高 の 生 活

安 明高 の 生 活

日頃の気になること と
坂村真民・種田山頭火さんなどの作品を掲載してます

御先祖の御加護に感謝をし
日本百観音などを参拝の後
お四国を錦札で巡拝できる喜びを感じて
弘法大師・法然上人・親鸞聖人などの魅力を紹介してます。

【南無大師遍照金剛】 * 7

禅僧として各地を行乞の旅。

旅のさなかに数多くの句を残した

俳人山頭火の

公開された作品を掲載します。

赤い壺

種田山頭火 

1916年(大正5年、34歳)

「層雲」大正5年1月号ー2

 

結婚して後悔しないものが何人あるか

親となって後悔しないものが何人あるか。

 

――私も亦

その何人の中の一人であることを悲しむ。

最初には酔覚の水がうまくて水を飲んでいたが

度々飲み続けているうちに

水そのものを味わい飲むようになった。

 

そして水を飲まずにはいられないようになった。

彼が真実を主張したとき

彼の周囲の人々は同意し讃嘆した。

 

しかし彼が進んで真実を実行したとき

人々は怒罵し嘲笑した。

 

斯くして

彼は彼の周囲から永久に別れてしまったのである。

強者は破壊する、弱者は弥縫する。

 

強者は創造する、弱者は模倣する。

すべてに失望した人――生きていても詰らない

死ぬるのも詰らないと思う人は

再び官能の陶酔に帰って来る。

 

そして野良猫が残肴を漁るように

爛れた神経の尖端で腐肉の中を吸いまわる。

 

彼は闇にうごめく絶望の影である。

 

しかも彼は往々にして――

若しも彼が真摯であるならば――

そこで『神の子を孕める悪魔』を捉えることがある。

遊蕩児にただ一つ羨ましい事がある。

 

彼は歓楽の悲哀――

それは恐らく遊蕩児のみが味わい得る――

『泣笑』とでも呼びたい情趣を色読している。

地獄から来た男は走らない

叫ばない。

 

黙って地上を見詰めつつ歩む。

歓楽に誘惑がある如く、苦痛にも魅力がある。

 

生存がただ苦痛であって

そして死を恐れない人がその儘生きているのは

屡々、生存慾のためよりも

苦痛の底の甘味を解している故である。

 

(青空文庫作成ファイル)より

 

(続きます)

 

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆

  

  

今日も命を授けていただきありがとう (^-^)

二度とない人生

だから 今日が大事、今日が大切 

今日もいい日でありますように 【合掌】

 

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