オレとオレ流独学オムライス | C.I.L.

オレとオレ流独学オムライス

オレ様は外食も好きだが自炊も嫌いじゃない。

これは食い道楽メタボ共通の特徴かもしれないが、"自分の好物を自分好みにカスタマイズして作って思う存分喰らう" というのが最高に幸せなのである。

そんなオレ様の一番の大好物は何かというと、そりゃもう圧倒的にオムライスである。カレーもラーメンも好きだが、何かひとつと言われたらオムライス一択だ。

思えば小学生の頃からオムライス作りにハマり、一人暮らしを始めた20歳くらいの頃には "オレ流オムライス" のプロトタイプが出来上がり、貧乏時代に幾度となく卵と米とケチャップだけで作る "素オムライス" に助けられ、気付けばオムライスだけはどこのレストランにも負けないほどの腕前になっていた。

最近は近所のスーパーからバターが消えて、作りたくても作れずにいたのだが、つい先日何気なく乳製品コーナーを覗いたら普通に並べられていたので、喜びのあまり勢いで購入。折角なので久々にオムライスを作ってみることにした。

やはりオムライスの命はバターだからな!(一度だけマーガリンで作ってみたら酷かった…)




とりあえず今回はオーソドックスにタマネギと鶏肉だけで作ってみる。明らかに鶏肉が大きい&多い気がするが深く考えない方向で。

まずはフライパンに油を敷き、ニンニクを弱~中火くらいで炒め始める。ニンニクに少し色がつき始めたくらいで、みじん切りにしたタマネギを投入し、これまた中火程度でじっくり炒める。

またこの時に軽く塩胡椒を振って下味をつけておく。




全体的にしんなりしてきたら中央部分に "穴" をあけて、そこにケチャプと、お好みで潰したホールトマト(カットトマトの方が簡単かも) をぶち込む。

ケチャップの酸味などが残ると卵と喧嘩しちゃってあまり好ましくないので、面倒でもグツグツと煮焼くようにし、とがった風味を飛ばすのである。(密かにこれ重要だと思う)




トマトとケチャップを煮焼きつつ、具材と満遍なく混ぜ合わせ、次にバターを一欠け投入。バターを溶かしつつ予め冷ましておいた米をドバっとぶち込み混ぜ混ぜ。すでに具には火を通してあるので、米が温まって、味の偏りがなくなるまで混ぜればOK。

ここで軽く味を見て、適当に調味料を加えて味を調える。オムライスの味って基本的にチキンライスで決まってしまうので、この最終調整だけは気を遣った方がいい。(最後に卵の上からケチャップをかけるので、気持ち薄味くらいがちょうどいいかと)




シンプルチキンライス完成。

※もしパラパラっとしたチキンライスの方が好きなら具材と米を別に炒める。その際は米を炒める途中で、上の写真のように中央に穴をあけ、そこでケチャップを煮焼き、その後に具材を投入して混ぜ合わせると吉。

このチキンライスの味がバッチリ決まれば、もう7割方勝ったも同然である。




ここからがオムライス作りのフィナーレ。実戦経験から得たスピードとテクニックをフル活用して超頑張る。(てか慣れない人が最もつまづくのがここだと思われる)

適当なお椀やボールにL玉の卵を2個割り入れ、ちょっぴり牛乳を入れて溶く。あんまり神経質にカチャカチャやる必要もないと思うんだが、お好みで粗く溶いたり細かく溶いたりするといいんじゃないかな。(オレは少し白身の部分がデロっと残ってるくらいが美味しいと思うんだが、まあ人ぞれぞれ)




フライパンに薄くサラダ油を敷き、その後でバターを少量。この時バターが焦げ付いて茶色くなってしまわないように注意……と料理本などには書いてあるんだが、オレは 「別にそんなの気にしなくても平気じゃね?」 と思う。

むしろバターの焦げ付きとかどうでもいいから(とは言っても焦げ臭くなるほど焦がしちゃダメだが)、一番大事なのは温度だな。オレ的には箸で卵を少し落としてみて、一拍おいてジュワっと焼けるくらいの温度がベスト。




ベストの温度になった!と思ったら、一気に卵を流し込む。こっからはガチンコ勝負。息をするのも忘れるほど集中すべし。




急いで卵をかき混ぜて空気を入れつつ底面を焼いていく。外側から中心部へ、中心部から外側へといった具合に菜箸で渦を描くようにかき回す。必死にかき回す。ここマジ重要。

ちなみにオレはこの作業中に話しかけられると理由はどうあれ一発で火病る。大昔に付き合ってた女性にそれをやられて、キレてフライパンごと投げつけて破局したことすらある。(実話)




で、底面は焼けたけど外側はまだトロトロ半熟ってな辺りで軽く卵を端に寄せていく。

ちなみになぜ牛乳を入れたのかというと、卵だけを焼くと写真のような厚みが出ず、ふっくら焼き上がらないから。しかも卵だけだと火の通りが早くなってしまい、細かい微調整をする余裕がなくなってしまうという理由もある。

なのでそんなに大量に入れる必要はないが、卵の量の8~10分の1くらいを目安に牛乳を入れておいた方がいい。




卵の外側が半熟で、かつ底面はしっかり焼けているという状態になったらチキンライスを投入。半熟に気を取られて底面の焼きが不十分だと、チキンライスの重量に負けて無様に破れてしまうので注意。この辺の見極めは場数を踏んで覚えるしかない。





チキンライスを乗せ終わったら、卵が崩れないようにフライパンの端に寄せていき、卵の端を折り畳むようにして巾着のように軽く包む。ちなみに底面の焼きが不十分だと、卵を動かそうとした時点でフライパンにこびり付いて破れるので注意。

と、プロの人だとここでトントンとフライパンの手元を叩いたりして綺麗に包んで行くんだが、オレ様は素人なのでそんな面倒なことはしない。(てかそれやるとどうしても潰れて空気が抜けて、ホワっとした感じがなくなっちゃうのよね)




ではどうするのかというと、まずフライパンを逆手に持ち替える。そしてガバっ!と被せるようにして皿に乗せてしまうのだ。




そのままだと当然このように出来損ないのツチノコのような哀しい形状になってしまうので、ここでも素人ならではの強引な技を使用する。




キッチンペーパーで覆い、手で形を整えつつ、卵についた余分な油分も取ってしまう。

この作業があるので、卵を焼き始める際に多少油を多めにしても平気。油を多めに敷けば焼き色も綺麗になるし、焦げ付きなんかも防ぎやすくなるので、オレみたいな素人にとっちゃ至れり尽くせりである。




ほ~ら、なんとも美味しそうなオムライスの完成。強引な技を使っただけあって形も綺麗である。

しかもこの作り方だとフライパンの上でキッチリ包む必要がないので、チキンライスたっぷりのわらじ大の巨大オムライスだって簡単に作れてしまうのだ。これはメタボにとって欠かせない技だ!




オレ流オムライスの肝は、この卵の厚みとふんわりさにあるように思う。

この作り方だと最後まで卵の焼け具合を直接見れるので、半熟というよりトロトロレアからウェルダン気味の固め焼きまで思いのまま。柔らかすぎた!とか焼きすぎた!という失敗は格段に減ると思われる。

オムライス作りが苦手だという人や、卵ペラペラのオムライスしか作れないって人なんかは、試しにこの作り方でやってみてはどうだろう?(分厚い卵が苦手な人にはオススメできないが)



<オレ流独学オムライス シンプルバージョン>
・卵=L玉2個
・鶏肉=適量
・タマネギ=適量
・ニンニク=少々
・牛乳=少々
・ケチャップ=適量
・トマト(ホール、カット、ピューレなど)=適量
・塩胡椒=少々

調理:オレ
撮影:内縁の妻