大海赫先生の童話。

主人公のミリ(男の子かな?)は、「101号」という名前のブタをペットに飼っています。で、あるとき急に101号が裁判所に連行されてしまい、食肉として屠られてしまう。そしてミリは気づくのです、自分が今まで食べていたハムやソーセージは、101号と同じブタの肉だったのだと。やがて、いばりくさった人間どもに、ブタたちが反乱を起こし…という話。

かといって、「こうして人間はベジタリアンになりました。めでたしめでたし」という安直な展開にはならないのが大海先生の真実を見る目の容赦ないところ。

ミリは、たぶん人間だけにしか思いつかない方法で、人間を助けてくれとブタたちに頼むのです。それに対して、人間を助けるかわりにブタたちが出した交換条件は…。きっと人間はまた忘れて、あの約束を反故にするだろう、というラストも不穏…。

しかも、これを読んだ子どもたちは、自分の命が他の動物の命を犠牲にして成り立っていることを、生まれたときから乗ってる船の残酷な成り立ちを、バーンと見せつけられるわけですよね。たとえば犬や猫はペットとして愛玩するのに、牛や豚や鶏は殺す私たちって何なの?と。そこも含めて、大海先生にしか書けない童話と思う。


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