BL旋風巻き起こる台湾のドラマを、ついに観てしまいました。

2017年のウェブシリーズなんだけど、シリーズ1は三部作。その第一弾が『My Hero』。

最初につまずいたのが、BLなのに主人公が女という、、、

簡単にストーリーを説明すると、主人公で金持ちの美少女・ランシー(藍熙)が、死に神のミスによってうっかり死亡。

それでグースーレン(古思任)という内気なイジメられ少年に乗り移り、生前の恋人であったマイインション(麥英雄)に真実のキスをしてもらえば生き返らせてやろう、と死に神に無茶ぶりされるのだが、、、という話。

それでウケるのが、グースーレンはいじめられてて生命力が下がってるからとかいう理由で、霊になったランシーが見えちゃうんだけど、死んだはずのランシーを見てびっくりして転んで頭打って即死。っていうかほぼ霊による殺人ですよねこれ?

で、死んだ瞬間にグースーレンの体を乗っ取り成功イェイイェイ!グースーレンが不憫すぎるだろ!グースーレンに人権を!

しかし、グースーレンの体に乗り移ったものの、男の体で彼氏のマイインションに愛されることは可能なのだろうか萌え~

みなさん安心して下さい、女子が主人公だけどちゃんとBLでした!

おや?ちょっと待て。

私はBL歴は赤ん坊なのであるが、設定として、どこからどこまでがBLなのか?

私はなんとなく、ノンケの二人の男が、新たな感情に戸惑いながらもぎこちなく受け入れていく、そういう設定がBLなのかと思ってたのだが。

それでいうと、この場合、男の中に女の魂が入ってるので、ノンケの男の体を借りてるだけで、完全にノンケじゃないじゃん。

それがアリなら、体は男だけど心は女の子、という、いわゆる性同一性障害の子もBLの主人公に成りうるのか?

でもそんな話聞いたことないよ。

やっぱBLに限っては、ノンケ同士が、新たな感情に戸惑いながらもお互いを受け入れていく様を見て悶絶したいじゃないですか(´д`)ハァハァハァハァ!と思うのは私だけ?

あともう一つ疑問点なんですけど。

前に、ある女友達が、「BLが女の子に人気の文化なのは、女っていうのは脳が共感するようにできてるから、普通の恋愛ドラマだと共感し疲れちゃうので、BLだとまったく共感しなくていい完全なフィクションとして楽しめるんじゃないか」というような話をしてたんだけど、この話でいうと、女の子の魂のほうに共感する余地ができてますよね。

私も最後(ネタバレになるので言わないが)、誰に最も感情移入して泣いたかって、ランシーだったもん。

つーか私は男でゲイなので完全に、こここここんなことが自分に起こったらどうしようギャー!!とか思いながら観てるのだ。(←フィクションとして観るの拒絶)

さらに疑問点なのは、ランシーは死んだら霊になって、霊としての存在や記憶もきちんとあるのに、グースーレンの霊はどこいった?最後なんで覚えてない感じになってんの?

あと、もひとついいですか?ランシーがグースーレンの体に乗り移ったことを、生前の彼氏であるマイインションにバレてはいけない設定になってるけど、私ランシーよ!って伝えないと、どう転んでもグースーレンにキスすることになって、「真実のキス」にはならなくないですか?

あとねあとね、高校生なのにアパートが豪華すぎません?親は何してんの?あと対面してて、同じ方向によけるやつとか、ペットボトルの間接キスとか、演出過剰じゃね?てか私、こんないちいち突っ込んで腐男子として不適格じゃね?

いや、面白かったのだ。俳優さんも、二人とも本当にタイプだし。でもなんか、素直にフィクションに乗っかれない。私はフィクションじゃなくてマイインションとグースーレンにリアルに乗っかりたいのだ(←マナー違反)。どーすりゃいいのさこの私。

なんか第1弾から女子が主人公なんて変化球すぎて、いろいろわかんなくなって、この後ついていけるか不安になった。



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