旅先での楽しみの一つが、雑誌やテレビで紹介するほどでもなく、後世に語り継がれるほどでもなく、なんなら食べログとかにも『店舗情報が確認できません』とかいってやんわり掲載拒否されてるような、なんっちゃないザ・昭和の喫茶店に行くことです。

どこにでもありそうで、今や絶滅危惧種のザ・昭和の喫茶店。

神戸駅の近くに、そんな喫茶店・ミカドはありました。


店内に一歩入れば、なんか煮詰まった匂い。客は地元のおっさんしかいない。奥行きのあるウナギの寝床のような店内。


モーニングサービスは、珈琲とトースト付きで320円。


地元名古屋より安いがね。


タイル風のリノリウムっぽい床もレトロカワイイ。


お店のかわいいおばあちゃんと、なんとなく話す。

昭和の始め頃に開店以来、なんと現在三代目。
ミカドという店名は、当時移転する前の店舗が三角形の形をしていて、三つの角でみかど。
でも時は戦前、まだ天皇が神様だった頃で、その名前は天皇を連想させて不謹慎だ!
ということで、カタカナにしたんだそうです。

昔はカタカナってそんなに別物感があったんでしょうかね。いまはそんなに思わないけど。

とはいえ移転してからも50年以上なんですって。

六割は地元客なので、ここで新聞読むの楽しみにしてるお客さんのために、うちでは毎日全紙とってるのよ、とおばあちゃん。

よい。

このままずっと、雑誌やテレビや食べログに紹介されないで、末永く続いてほしい。

また神戸に行くことがあったら寄ろう。