群ようこさんの短編集。さまざまな事情で三人暮らしをする女たちの話。

私が一番好きなのは、『バラの香り』に出てくるシマさん83歳。

シマさんは主人を五年前に亡くして昭和の一軒家に一人暮らしをしています。

このシマさんが、日課の薬師寺参りで知り合った困ってる人を、ホイホイ家に住まわせるんだけど、ひとつ屋根の下に暮らしても、どこか他人みたいな感じをキープ。

これを冷たいととるか、思いやりととるか。私は後者です。

物理的に近い分だけ、心の距離でバランスを
とってる感じがたいへん勉強になる。いくら住まわせてあげてても、人の事情には立ち入らないところとか。

人間関係について、定期的に群ようこさんの小説の登場人物を見習い、我と我が身を振り返りたいと思う。