群ようこさんの無印小説シリーズ第一弾。

どこにでもいそうな隣人の、徹底的に冷静な定点観察記、という感じ。

至極フツーに生きていて、まっとうに怒りを覚え、でも主人公の全員に、そこはかとなく品があって、たいへんよい。

だいたい周りの迷惑な人に振り回されるんだけど、うっかりして自分が迷惑をかけるほうに回らないように、人を自分の思い通りに変えようとしないように、絶妙にブレーキをきかせている感じに好感がもてる。

フツーに品があるって、いちばんむずかしいことだと思う。

こんなふうに、さっぱりと生きていきたいものです。