久しぶりに読んだ森鴎外の『高瀬舟』。
子どもの頃は、つまんねー話とか思ってたのに、喜助が弟殺しの秘密を告白するところを読んで泣いた。台湾の図書館で高瀬舟読んで泣いてるアラサーの日本人、、、老いたと。つくづく老いたと。

世の中にはまだ、裁判や診断や報道では掬いきれない領域のことがあって、この世にそれを説明する名前がないことの孤独に、本はそうっと寄り添ってくれる。

私みたいに、安易なシェアお断りのひねくれた人間には、そういう寄り添い方がちょうどいいのです。

こんな大変な経験はないけれど、寄り添われたことがある人は、この短い小説を読んで、その温かさがわかると思う。