台湾の日本語小説シリーズ。これも呉天賞さんの短編。
ここに秀蘭というインナーブスが出てきます。秀蘭の友人である月霞には、最近ケンカ別れした元彼の瑞一がいて、ヨリを戻してあげようとおせっかいをしつつ、もしヨリが戻んなかったらあたしが瑞一とつき合っちゃおうという、インナーブス極まりない計画をたてるのです。
でもいかんせんあれかな~、ブスの恋が実ることって純文学的にNGなのかな。秀蘭、あたりまえのように玉砕して、かえって友人の恋を再燃させるという最高で最悪の結果に。
私の内なる人格・中2のブスが、玉砕と成就のねじくれた願いを渦巻かせてて面白かった。ハーレクインだとこうはいかないですものね。

 

参考文献「日本統治期台湾文学集成 台湾純文学集1」星名宏修編・緑陰書房