台北という都市文化のなかで生まれた現代文学の短編集。共存する外省人(中国本土からきた人)と本省人(もともと台湾に住んでる人)の間にあるアイデンティティの揺れ動きや世代間の軋轢…、という台北でしかありえない話もあれば、台北が舞台だけどべつに台北じゃなくても東京でもパリでもいい、無国籍な才能もあって、とーってもおもしろかった。日本文学のアンソロジーとかも、外国人から見たらこんなふうに見えるのかも、と思う。後者には村上春樹さんとか、安部公房とかが入るんだろうな。前者は誰だろう。川端康成? 小林多喜二とかかなあ。英語で読んでみたらわかるのかも。いつか同じ小説を各国語で読んでみたい。新しい読書の楽しみが増えた気分でうれしい。
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