ときどき図書館で、気まぐれに文芸誌を手に取ってみると、ものすごい掘り出し物に出会うことがあります。『すばる』2013年3月号に載っていた、ラテン系ブラックアメリカンの作家ジュノ・ディアスの、『東京』という短いエッセイがすんごくよかった。

これが書かれたのは3.11の直後、著者の東京への想いをつづった内容。

当時のことをいろいろ思い出してしまった。東京ってこんな簡単に機能が麻痺しちゃうんだ…、とびっくりしながらも、いま離れるのはイヤだ、と思ったこととか。それまでは、どこに住んでも同じとか言ってたのに。というか、東京が通常運転に戻った今は、離れてもいいと思ってる。ふつう逆ですよね。私みたいのは有事の際に、変なことを優先して真っ先に死ぬ気がする。でもやっぱり、東京は、日本は必ずまた立ち上がる、それを心のどこかでは、すごく信じてたとも思う。

やっぱりなんだかんだ言って、私も東京が好きになっちゃった人間のひとりなんですよね。ま、それも悪くないですね、全然。





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