先日、カナダ東部のニュウファウンドランド島で開かれた国際的なベジタリアンフェスに、日本人代表として参加してきました!いや、してないんですけど、読んでたら自分もすっかりその場に行った気になっちゃって…。今回は体験談風読書記録です。


まずおかしかったのがね、会場にちゃんと「異派席」というのが、さも来て欲しそうに設けられていたこと。(はぁ?犬フェスに愛猫家連れてくるようなもんだろ…)と突っ込みたい私。


さらにおかしいのは、舞台上で入れ代わり立ち代わり、ベジ賛成派とベジ反対派が侃々諤々やりはじめるんだけど、観客の反応がいちいち、天幕がひるがえりそうなほど大げさ。私はもうここでドロップアウト。無理。こんなカナダの離島まで来る交通費で何食分ご飯食べれたか計算したりして、はやく日本に帰りたくなっていました。


私はただの隠居ですから、次々と登壇するえらい学者さんや宗教家の話を聞いてもサッパリわからんのです。おいてけぼり気分の私は、「他人がベジタリアンでもニクタリアンでもどっちでもええがな」と心のハナクソをほじくり、白けてしまいました。


しかし、論客たちが舌鋒鋭く批判しあうのを聞いていると、なんだか違う、と思い始めます。この人たちはお互いを批判しながら、実は求め合ってるんじゃないか…、と。攻撃してるけど、ほんとのところ、相手のことが気になって気になってしょうがない。This is 両想い。ここらへんから、がぜんおもしろくなり始めた私。ヤレ!もっとヤレ!


それなのに、だんだん「ベジタリアン優勢」みたいな空気になってくると、あっさりみんなベジタリアンに宗旨替え()。あんたたち、あんなにお互いボロクソにけなしてたのに!


人間っていいかげん…、が、人間ってなんかおもしろい…、に変わるまで、長い時間はかかりませんでした。賢治先生もそう思っていらしたのでしょうか。