両足の不自由な男性の世話する女性がいた。
その女性は、とても幸せそうだった。
男性のありとあらゆる世話を
本当に楽しそうにやっていた。
そんな彼女を周りの人はすごいといい
世話をされる男性に「幸せだね。感謝しなくちゃね。」と大半の人が言う。
そう言われるたびに女性は、
「当たり前のことをしてるだけ、こうしてることが幸せなの」と笑って答える。
そういう彼女は本当に嬉しいそうで幸せなんだと感じさせる。
そんな彼女を何度も見ていて
ある時、男性はふと彼女に聞いた。
「どうして、僕の世話をするのが幸せなんだい?
大変と感じることもあるだろう?
でも、君はいつも楽しそうだよね?」
その言葉を聞いた女性は
「だって、こうして私の愛する気持ちを伝えることができるから
言葉だけじゃなく、いろんな形で伝えられる。
きっとあなたの足が健康だったとしてもそれは同じだと思う。
でも、今のあなたの足だから、その機会をいっぱいもらえている。
だから、幸せなの、こうして愛することができるから」と言って笑った。
その言葉聞いて
「もし、僕が君と同じだけ、君を愛してなくても
君に何もしてあげられなくてもかい?」と男性が聞くと
「そうね~
あなたが心から私に何かしてやりたいって思ってくれるのは嬉しい。
でも、あなたがいてくれることがうれしいのよ
愛させてくれてありがとう。
こうして、心から愛したいって思えるあなたがいてくれることが嬉しいのよ」と
本当に当たり前のことのように話す彼女を見て
「君は、愛されたいと思わないのかい?」と男性が聞くと
「だって、愛されてるから生まれ来れて
その時たくさん、本当にたくさん愛されて
この世に生まれて来れた気がしてて
だから、この世には、愛すために生まれて来た気がしてるのよ」
そう彼女が言う言葉を聞いて
男性は、彼女の言葉が本当なんだと感じていた。