少女の縄 | おはなしてーこのお話

おはなしてーこのお話

ふっと生まれたお話や感じたことを書いてます。

泣き叫ぶ少女の声 の続き)


泣き止んだ少女は、

じっと一点を見つめていた。


そして、ちぎれた縄の端を見た。


縄を見ていてふっと思った。


人の負けたくないって思っていたのは、

そんな想いからだったんだって


人を羨ましいって思っていたのは

そんな想いからだったんだって


自分に何も才能がないこと

才能があったら思っていたのは

そんな想いからだったんだって


自分の中で必死に

自分の正しさを主張してたことは

そんな想いからだったんだって


ちょっとホッとした。


そんな自分が大嫌いで

いけないことだと思っていたから

こんな自分だからいけないんだと思っていたから

それを必死に隠していたから


ほんの少しだけ

自分を分れた気がした。


そして、また縄を握ろうとしたとき


縄が細くなっていた。

片手では、掴みきれなかったのに

今は、軽く握れる。


そして、その縄に入ってみたら

前より長くなっていた。


そして、何より

縄の両端を握っているのは

少女自身になっていた。