泣き叫ぶ少女の声 | おはなしてーこのお話

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ふっと生まれたお話や感じたことを書いてます。

床にペタと座り込み

周りのものを引き裂き、投げまくり

何かが大きな縄が切れたように

大きな声で泣く少女がいた。


誰も近づくことができない。


「誰も分かりはしない

 分かってくれない

 自分の思い、自分の悲しみ怒り

 人を思ってやったこと

 そんな気持ちなんて誰にも分かりはしない。

 伝わらないんだ。


 その人を思いながら考えながらやったこと

 そんな風にやっている気持ちなんて

 誰にも伝わらん。

 

 なにかやれば怒られて

 あなたのためにやったことも気づこともせずに

 褒めてもくれず。

 

 考えてることや辛かったこと

 人に怒れてしまったことを口にすれば

 諭すように、

 その人をかばうように

 相手を擁護する言葉、褒める言葉をいう。


 ただ、そう思った、そう感じた。

 それを聞いてほしかっただけなのに・・・


 その言葉は、 

 私には、それすら許されない。

 私が我慢すればいい。

 私が悪い。

 そんな風に言われている気がした。

 私よりその人が大切なんだ

 私にはそんな風にしか聞こえなった。


 ・・・だから、口を閉ざした。

 だから、自分より人を優先してきた。

 そして、それが当たり前だと思うようになった。


 純粋に人のためを思って

 やっていたこともあったのに・・・

 それが、当たり前で

 それが嬉しかったこともあったのに・・・


 ほかの人が来れば、自分を引いた。

 人は必ず、私よりほかの人を大切にする。

 それが、当たり前なんだと思うようになっていった。

 

 私には価値がないんだと・・・

 そう思うしかなかった。

 

 でも、本当は

 自分も同じように大切に思って欲しかった。

 だから、役に立つように頑張った。

 それでも心は埋まらなかった。


 ただ、分かって欲しかった。

 私の大切に思っている想いを伝えたかった。

 その気持ちを分かって欲しかった。

 ただ、愛して欲しかった。

  

 ただ、それだけなのに・・・」


これが泣き叫んでいる少女の

泣き叫ぶ声の中にある心の声。


泣きながら少女はわかっていた。

どうすることもできないことを


あきらめ・・・そんな気持ちが最後にやってくることも


そして、こうしてひとしきり泣いたら

また、切った大きな縄の中に入らないとならない。

そんなことを何度も繰り返してきた。


でも、今は何かが違う。

いつもと違う最後を感じさせる。


  (続きは少女の縄