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スイッチ工作室

意思伝達装置に使うスイッチのあれこれ

小さなマイクロスイッチを使ったスイッチの機構を考えて100円ショップのセリアに行ってみたら、二重跳びマスターという縄跳びロープが目に止まりました。縄跳びの持ち手の中に鉄球が入ったもので、この鉄球の遠心力でわきが締まり二重跳びがしやすくなるとのことです。

二重跳びマスター


持ち手の中に小さいマイクロスイッチを入れて持ち手を振ることで鉄球が遠心力でマイクロスイッチを押すことができそうだと思い、作ってみたのが縄跳びスイッチです。

縄跳びスイッチ


持ち手を握って太鼓のバチのように振ると鉄球がマイクロスイッチのレバーを押して、スイッチがONになります。ケーブル側を下にして持っても、上にして持っても同じように動作します。ケーブルを下にして持っても鉄球の重量が7gで、マイクロスイッチの押し圧が45gなので静止した状態ではマイクロスイッチはONになりません。太鼓の達人のスイッチ操作に最適です。空中で太鼓を叩く動作をするとスイッチがON/OFFします。

静止状態


ここからは作り方です。

ここで使ったマイクロスイッチはCherryのDG23B1LAです。この大きさのマイクロスイッチはパソコンのマウスのクリックボタンとしてよく使われているもので、いろいろなメーカーから販売されています。オムロンだとD2F-01FLといったものがあります。マイクロスイッチを小さく切り出したユニバーサル基板に載せてハンダ付けします。

マイクロスイッチと基板 マイクロスイッチのハンダ付け


ケーブルは安売りしていたステレオプラグ付きのものを使用しました。ステレオプラグをモノラルプラグとして使用する場合は、プラグの先端と根元の端子を使用します。今回、使ったケーブルでは、4本のケーブルが入っていたのですが、白いケーブルと黒いケーブルがプラグの先端と根本に接続されていたので、この2本だけ残して他のケーブルは短く切断します。

ステレオプラグの結線


ケーブルはあらかじめ縄跳びの持ち手内の白い筒を通してマイクロスイッチとハンダ付けします。ケーブルを引っ張ってもスリーブから抜けないように結束バンドをケーブルに付けておきます。マイクロスイッチにはNC、NO、COMといった記号が書かれた3つの端子があり、この中でNOとCOM(あるいはC)と書かれた端子に配線をします。

ケーブルをスリーブに通す マイクロスイッチの結線


ホットボンドでマイクロスイッチの付いた基板をスリーブに固定します。持ち手に入れた際にマイクロスイッチのレバーが持ち手の内部に引っかかるのでレバーの先端を2mm程度切り取ってマイクロスイッチの本体からはみ出した部分を短くしました。

マイクロスイッチをスリーブに固定 レバーの先端を切断


持ち手の中にマイクロスイッチの付いたスリーブを入れるとマイクロスイッチが鉄球で押されっぱなしになることが判明したので、持ち手の中のオレンジ色の棒を5mm程度切り取って短くしました。

5mm切断


持ち手の中に5mm短くしたオレンジ色の棒、鉄球、マイクロスイッチを入れて蓋をねじ込んで組み立ては終了です。

持ち手に組み込む


テスト用のブザーをつないで持ち手を振ってスイッチがON/OFFすれば完成です。

電池で動くおもちゃなどの電池と電池ホルダーの電極の間に入れて、外部からスイッチ操作できるようにするBDアダプターを作ってみました。市販のものはすぐにハンダ付け部分が断線して使えなくなってしまうとのことでしたので、ハンダ付け部分とケーブルを丈夫な構造にしています。

BDアダプター


こんなふうにして使います。BDアダプターの先端を電池ホルダーと電池の間に挟んでBDアダプターの3.5mmジャックにスイッチを接続して、このスイッチで電源のON/OFFを行います。

BDアダプターの使い方


ここからは作り方です。

BDアダプターの主要な部品は銅箔2枚と0.3mm厚のプラスチックの板を適当な大きさに切ったものです。銅箔は、低周波磁気シールド銅箔テープT-30Cというもので片面に粘着材が付いたものです。プラスチックの板は厚さ0.3mmのプラ=プレートOM-201-380というものを使いました。切り出したプラスチックの板は6mm×20mm程度にしましたが、利用環境に合わせて長さを決めます。銅箔は幅が30mmだったので、半分に切って使っているので15mm×6mmくらいにしています。ケーブルは断面積が0.3SQRの青白スピーカーコードを使いました。

BDアダプターの部品構成


銅箔とケーブルに予備ハンダをします。

ケーブルと銅箔の予備ハンダ


銅箔をケーブルにハンダ付けします。この時銅箔の粘着材が付いた面が互いに向き合うようにハンダ付けしておきます。

銅箔とケーブルにハンダ付け


プラスチックの板の両面に銅箔を貼り付けます。この時、銅箔同士が接触していないことを確認します。

銅箔をプラバンに貼り付け 銅箔をプラバンに貼り付け(側面)


プラスチックの板とケーブルをしっかりと固定するために接続部分をホットボンドで固定します。熱収縮チューブで配線部分を覆うのもいいと思います。

ホットボンドで固定 熱収縮チューブで覆う


3.5mmモノラルジャックWTN04F1093Bのそれぞれの端子の穴に白いケーブルと青いケーブルの電線を通してハンダ付けしてからケーブルの被覆のある部分で金具をかしめて固定します。ジャックの端子は2つ同じような端子が並んでいますが、どちらに接続しても同じです。私は2つの端子を互いに内向きに曲げてハの字にした隙間に線を挟んでハンダ付けしています。

ジャックの配線 3.5mmモノラルジャックをハンダ付け


テスト用のブザー回路の電池ホルダーに差し込んで、スイッチをつなぎ動作確認して完成です。

BDアダプターの使い方



指でスイッチ操作することが難しい方用に丸型のコインケースを使って握るスイッチを作ってみました。

丸型コインケースの握るスイッチ


コインケースの蓋が少し開いた状態になっており、握ると内部のスイッチが押されてONになり、握った手を緩めるとスイッチがOFFになります。ケースの蓋の内部のスイッチの先端が接触する部分は隙間を調整するための薄いプラスティックの板が貼り付けてあります。コインケースの大きさに合わせて貼り付ける板の厚みを変えて対応します。

ケースの隙間 ケースの内部


以下は作り方です。

コインケースはダイソーで売っていた丸型のもので、今回は直径を小さくしたかったので1円硬貨用のものにしました。

丸型のコインケース


まずはコインケースにケーブルを通すための穴を開けます。ケーブルの直径と同じくらいの直径3.5mmの穴をドリルで開けました。今回は蓋を微妙に開け閉めする必要があるので、ケーブルが蓋の開け閉めに干渉しないようにケースの下の蓋の側面に穴を開けています。

ケースの穴


押しボタンスイッチはいつも使っているタクトスイッチ(KC901TC)を使おうとしたのですが、キートップの部分の高さが邪魔になるので、キートップを外して使うことにしました。初めからキートップが付いていないスイッチも販売されていますので、それを使ったほうが安上がりです。例えば、池上のKC901、アルプス電気のSKHCBEA010、オムロンのB3F-4050などです。

押しボタンスイッチと基板 キートップを外す


キートップを外したタクトスイッチの裏側にある2箇所の出っ張りを彫刻刀で削り落としてから基板に差し込みます。スイッチをハンダ付けして基板に固定します。

スイッチを基板に差込む


ケーブルは安売りしていたステレオプラグ付きのものを使用しました。ステレオプラグをモノラルプラグとして使用する場合は、プラグの先端と根元の端子を使用します。今回、使ったケーブルでは、4本のケーブルが入っていたのですが、白いケーブルと黒いケーブルがプラグの先端と根本に接続されていたので、この2本だけ残して他のケーブルは短く切断します。

ステレオプラグの結線


コインケースに開けた穴に先端処理したケーブルを差し込みます。

ケーブルをケースに差し込む


ケーブルの先端とスイッチ基板をクリップで挟んで固定してからケーブルとスイッチをハンダ付けします。

ケーブルとスイッチをハンダ付け


スイッチ基板をコインケースの中央にある仕切りに載せてホットボンドで固定します。

ケース中央に基板を固定


スイッチの先端とコインケースの蓋の間に少し隙間があるので、コインケースの蓋を閉めるとパチンと閉まったままでスイッチとして使うことはできません。

そこで、この隙間を埋めてなおかつスイッチがONする厚みの板をコインケースの蓋の裏のスイッチの先端が接触する部分に貼り付けます。いろいろ試したところ、0.3mm厚のプラスチックの板を両面テープで貼り付けるとちょうど良いことがわかりました。データシートによるとスイッチON/OFFのストロークがちょうど0.3mmなので、スイッチ先端とケースの蓋の隙間は両面テープの厚みくらいだと思われます。

コインケースの内側に0.3mm厚のプラスチックの板を両面テープで貼り付けます。

ケースに板を貼る


この状態でコインケースの蓋を閉めるとスイッチがONになることが確認できましたが、蓋がロックされてスイッチが押しっぱなしになるので、蓋についているロック用の穴を少し縦長にして蓋が少し開いた状態で固定されるようにします。スイッチを押して蓋が閉まった状態の時にロック用の穴の下側に1mm程度の隙間ができています。

縦長に加工した穴


ロック用の穴の加工が終わった丸型コインケーススイッチにブザーをつないで、握るとブザーが鳴って手を緩めるとブザーが鳴り止めば完成です。