丸型コインケースで握るスイッチを作ってみました | スイッチ工作室

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意思伝達装置に使うスイッチのあれこれ

指でスイッチ操作することが難しい方用に丸型のコインケースを使って握るスイッチを作ってみました。

丸型コインケースの握るスイッチ


コインケースの蓋が少し開いた状態になっており、握ると内部のスイッチが押されてONになり、握った手を緩めるとスイッチがOFFになります。ケースの蓋の内部のスイッチの先端が接触する部分は隙間を調整するための薄いプラスティックの板が貼り付けてあります。コインケースの大きさに合わせて貼り付ける板の厚みを変えて対応します。

ケースの隙間 ケースの内部


以下は作り方です。

コインケースはダイソーで売っていた丸型のもので、今回は直径を小さくしたかったので1円硬貨用のものにしました。

丸型のコインケース


まずはコインケースにケーブルを通すための穴を開けます。ケーブルの直径と同じくらいの直径3.5mmの穴をドリルで開けました。今回は蓋を微妙に開け閉めする必要があるので、ケーブルが蓋の開け閉めに干渉しないようにケースの下の蓋の側面に穴を開けています。

ケースの穴


押しボタンスイッチはいつも使っているタクトスイッチ(KC901TC)を使おうとしたのですが、キートップの部分の高さが邪魔になるので、キートップを外して使うことにしました。初めからキートップが付いていないスイッチも販売されていますので、それを使ったほうが安上がりです。例えば、池上のKC901、アルプス電気のSKHCBEA010、オムロンのB3F-4050などです。

押しボタンスイッチと基板 キートップを外す


キートップを外したタクトスイッチの裏側にある2箇所の出っ張りを彫刻刀で削り落としてから基板に差し込みます。スイッチをハンダ付けして基板に固定します。

スイッチを基板に差込む


ケーブルは安売りしていたステレオプラグ付きのものを使用しました。ステレオプラグをモノラルプラグとして使用する場合は、プラグの先端と根元の端子を使用します。今回、使ったケーブルでは、4本のケーブルが入っていたのですが、白いケーブルと黒いケーブルがプラグの先端と根本に接続されていたので、この2本だけ残して他のケーブルは短く切断します。

ステレオプラグの結線


コインケースに開けた穴に先端処理したケーブルを差し込みます。

ケーブルをケースに差し込む


ケーブルの先端とスイッチ基板をクリップで挟んで固定してからケーブルとスイッチをハンダ付けします。

ケーブルとスイッチをハンダ付け


スイッチ基板をコインケースの中央にある仕切りに載せてホットボンドで固定します。

ケース中央に基板を固定


スイッチの先端とコインケースの蓋の間に少し隙間があるので、コインケースの蓋を閉めるとパチンと閉まったままでスイッチとして使うことはできません。

そこで、この隙間を埋めてなおかつスイッチがONする厚みの板をコインケースの蓋の裏のスイッチの先端が接触する部分に貼り付けます。いろいろ試したところ、0.3mm厚のプラスチックの板を両面テープで貼り付けるとちょうど良いことがわかりました。データシートによるとスイッチON/OFFのストロークがちょうど0.3mmなので、スイッチ先端とケースの蓋の隙間は両面テープの厚みくらいだと思われます。

コインケースの内側に0.3mm厚のプラスチックの板を両面テープで貼り付けます。

ケースに板を貼る


この状態でコインケースの蓋を閉めるとスイッチがONになることが確認できましたが、蓋がロックされてスイッチが押しっぱなしになるので、蓋についているロック用の穴を少し縦長にして蓋が少し開いた状態で固定されるようにします。スイッチを押して蓋が閉まった状態の時にロック用の穴の下側に1mm程度の隙間ができています。

縦長に加工した穴


ロック用の穴の加工が終わった丸型コインケーススイッチにブザーをつないで、握るとブザーが鳴って手を緩めるとブザーが鳴り止めば完成です。