こんにちは。
 
 
「憲法のおはなし」くぼいなみ です。


3月の終わりに、知人に誘われて「香山リカさんが語るわたしと憲法」という講演会に行ってきました。


テレビのコメンテーターとしての発言を聞いたり、コラムを読んだりしたことはあったけれど、精神科医の香山リカさんがどんな風に憲法を語るのかなーと興味津々で行ってきましたよニコニコ


どの話題もうむうむと頷きながら聞いていたのですが


「精神科医として、今進められようとしている改憲は許しがたい」


という視線が私にはとてもしっくりきました。


香山さんが精神科医として患者さんに関わって、カウンセリングの末にやっと心を建て直すことができても、その患者さんが生きていく社会が人の弱さや多様性を受け入れる寛容な社会でないと、結局は生きづらくなってしまうというのです。


長年精神科医を続けてきてこの数年、そういう事例が増えているといいます。


だから、社会全体が窮屈になって「普通」以外が排除されるようになってしまっては、精神科医としても安心して患者さんを送り出せないということなんだそうです。


2012年に発表された自民党改正草案によると、現行憲法でもっとも大切にされている「個人の尊重」というキーワードが消えます真顔


「個人があっての国」から「国のための個人」


という方向性に変わっているんですね。


こういう変化って、たった今は何ともなさそうだけど、じわじわと浸透していきます。



以前お話しを伺った太田伊早子弁護士が、改憲案をこんな風に表現していました。
今進められようとしている改憲を認めることは、「私は差別を認めます。」「私は差別されても構わない。」と言っているようなものなんじゃないかと、私は考えています。


たぶん


選挙や政治のことは話してはいけない


とか


投票率の低さ


とかは


何かがじわりじわり浸透したからなんでしょう。


化粧水が肌に浸透してくれるのは嬉しいけれど、受け入れがたい価値観が世に浸透するのは嬉しくないニヤニヤ


最後の質疑応答で、「なぜ今メディアで『日本人すごい!』『日本すごい!』という番組が多いのか?」


という問いに対して


「政権も経済界は、経済的、外交的に日本が崖っぷちにいるとわかっていて、それを覆い隠すためにそう言っているしかないじゃないか。」


という香山さんのお見立て。


なるほど~


って、歴史で学んだことのあるシチュエーション…


大本営発表と似てる!?


精神科医ならではのお話し。


大変興味深かったです。