藤井聡太王位苦戦も辛勝・7月31日の将棋対局結果(2024.7.31) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆7月31日の将棋対局結果

 

(1)第65期王位戦七番勝負第3局1日目

①〇藤井聡太王位(七冠・2勝1敗・先)vs●渡辺明九段(1勝2敗)

 ※第1局、第2局共に圧倒的に渡辺明九段が押していて面白くなりました。藤井聡太王位も八冠全冠制覇を果たして一つ区切りが付いたことで緊張の糸が緩んだとしても不思議はありません。羽生善治九段の七冠全冠制覇は167日間、藤井聡太八冠の場合は254日間。羽生九段は七冠に復することはなかったのでプロ入り11年目、25歳にして棋士人生のピークに達したと言えましょうか。その後2004年に一冠に後退するも直ぐに四冠まで奪回。2018年にタイトルを3つ失って無冠に。1989年に19歳で初タイトルとなる竜王を獲得して以来足掛け30年に渡りタイトルホルダーで有り続けました。藤井王位の場合はまだ22歳ですから多少の緩みが出たとは言え再び八冠に復することが出来るか否かが最大の関心事になりましょう。25歳くらいまで八冠を維持しつづけたのなら羽生九段同様に八冠に復することは困難になったかもしれず、伊藤匠叡王が早い時期に一角を崩してくれたことで新たな楽しみが出来たことになります。この意味でも伊藤匠叡王の功績は極めて大であったとしたいと思います。藤井王位は今年度10勝5敗で勝率.667。年度勝率8割を継続するためには勝ち数を47とすれば11敗が限度で残り37勝6敗、勝率.8605が必要になるので極めて難しくなったと言えそうです。

 ※1日目は渡辺明九段の練り上げた作戦か?30手目▽7五歩の突っ掛けに藤井聡太王位は昼食休憩を挟んで3時間10分の大長考で▲同歩と取りました。意表を突く1手で8時間の内の3時間10分を使わせたのは大きな戦果と言えるでしょう。その後の流れもAIは渡辺九段に「利あり」と観ているようで渡辺九段が好調に進めているということになりましょうか。44手目を渡辺九段が封じて1日目が終了。

 ※渡辺九段の封じ手は▽6六角と角交換でした。激しい攻め合いとなりそうで勝敗の行方は?

 ※苦戦の藤井聡太王位にチャンスが訪れたのは飛車交換から藤井王位が▲2一飛と打ち込んだのに対し、渡辺明九段は▽7六桂と王手銀取りに打てば大いに優勢になったようですが▽3一歩と受けに回ってチャンスを逸したようです。藤井王位は渡辺明九段に▽6九飛と捨てて金と角を取って玉に迫る手が見えている局面で藤井王は▲1一竜と香車を入手。携帯中継のAIはこの手を推奨していましたが50:50の評価。しかし、実際に指されてみると62:38に評価を変更。読んでいる時点と着手された時点で計算値が異なるのがAIと言えども人間臭いところを見せます。しかし、終局後に見直してみると52:48になっていたのでAIは休むことなく再計算をしていることが分かります。これが67手目で残り藤井26分、渡辺124分。68手目渡辺九段は65分読んで▽6九飛打ちを決行(51:56)。▲同玉(56:44)、▽6七角成(金を取る・60:40)、▲5八金(61:39)、▽6六馬(角を取る・61:39)。▽6九飛から飛車と角金の交換で渡辺九段の駒得でAIの読み筋通りの進行ですが藤井王位がジワジワ優勢になって行きます。これはAIが自らの読みが間違えていたことを物語るものと言えましょう。この後藤井王位の攻めがモタついて渡辺九段の78手目▽5七桂打ちの王手に対し藤井王位が▲同金と取って形勢逆転。▽同馬で藤井玉は一遍に危うくなりました。この局面で残り藤井12分、渡辺35分。89手目まで渡辺九段の優勢が続いて残り藤井6分、渡辺18分。渡辺九段も残り時間が乏しくなってきました。そして90手目、▲6六桂打ちの王手を消す▽6六香打ちの王手。「敵の打ちたい処に打て」の格言通り。しかし、これが悪手で82:18と再び逆転。渡辺九段は先に持ち時間を使い切り98手目で1分将棋に。藤井王は4分残し。結局藤井王位は2分残して111手で渡辺九段を投了に追い込みました。終盤まで渡辺九段がペースを握って上手く指し回したように見えましたがタップリ貯金した時間を使っても勝ち筋を見出すことが出来ず惜敗となりました。第4局は8月19・20日に佐賀県唐津市の「洋々閣」にて行われます。

 

(2)第18回朝日杯将棋オープン戦一次予選

・7組1回戦

②〇大平武洋六段(先)vs●瀬川晶司六段

 ※勝った大平六段は同日2回戦で金井恒太六段と対戦しましたが敗退。

 

・同2回戦

③〇金井恒太六段(先)vs●大平武洋六段(②の勝者)

 ※勝った金井六段は準決勝進出で西尾明七段と対戦します。

 

(3)第2回達人戦予選

・4組1回戦

④●豊川孝弘七段vs〇山本真也六段

 ※勝った山本真也六段は同日2回戦で⑤の勝者・今泉健司五段と対戦しましたが敗退。

 

⑤●神崎健二八段vs〇今泉健司五段(先)

 ※勝った今泉五段は同日2回戦で④の勝者・山本真也六段と対戦して勝利。

 

・同2回戦

⑥●山本真也六段(④の勝者)vs〇今泉健司五段(先・⑤の勝者)

 ※勝った今泉五段は準決勝進出。

 

◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)