昇級候補はほぼ白星スタート・6月13日の将棋対局結果(2024.6.14) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆6月13日の将棋対局結果

(1)第37期竜王戦6組昇級者決定戦

①●青野照市九段(先)vs〇泉正樹八段

 ※青野照市九段(71歳)は本棋戦が現役最後の舞台で敗れれば引退。泉正樹八段(63歳)は来年度の全対局が完了時に定年引退。

 ※青野九段は勝利目前で寄せ違い逆転負け。これが現役最後の対局となりました。引退時期が決まっている棋士は竜王戦で6組に在籍していると現役最後の対局を勝利で飾れる可能性がありますが、5組に在籍していると敗けて全対局終了⇒引退となります。勝った泉八段は2回戦で富岡英作八段vs岡部怜央四段戦の勝者と対戦します。


 

(2)第83期順位戦C級2組1回戦前半

 ※今期のC級2組は新規参入がプロ入りした4名とプロ編入試験に合格しフリークラスから昇級を果たした折田祥吾五段を合わせて5名。C級1組から二人落ちて来て7名増。C級1組に3名が昇級し、フリークラスに3名が陥落。+1名となるところ豊川孝弘七段(57歳)と近藤正和七段(52歳)がフリークラス宣言をして2名が追加減で差引1名減の54名で戦われます。フリークラス宣言をぜずにフリークラスに落ちてしまうと10年で引退となってしまうので65歳になるまで現役を続けたい棋士はフリークラス宣言を選択することが多いようです。

 ※棋士の収入は主に対局料になりますからフリークラスに在籍する棋士は順位戦に参加できませんから年間10局対局が減ることになります。勝てば勝つほど収入が増える理屈ですが対局料は非公開なので底辺の棋士の収入が如何ほどかは不明です。フリークラスでも勝率4割くらいであれば年間25局前後の対局があるようで、このクラスの棋士の対局料収入が400万円とすれば1局当たり16万円。実際はもっと低いと思いますが当たらずと言えども遠からずではないかと思います。現役を続ける利点はタイトル戦の立会人、副立会人という役回りが有って手当が付き更には「顎足付き」で温泉に浸かれて観光も出来るという余禄が有ったり、将棋まつりのようなイベントへの動員の手当が有ります。

 ※棋士の収入が公開されるのは原則上位10名まですが獲得賞金で上位12名の出場資格が決まる「JT杯公式戦・将棋日本シリーズ」で公開されるので実質上位12名。2023年度の場合12位は佐々木勇気八段で1600万円とされています。叡王戦主催者のドワンゴ社が撤退して賞金が減ったり、年々棋士が殖えているので1人当たりの取り分は減少傾向にあると思われます。現在棋士は総勢175名のようですが、現在より数人少なかったと思われる2018年度で63位の棋士が522万円という記事が見付かったので半数以上の棋士は400万円以下ということになりそうです。

 ※さて、第83期順位戦C級2組の昇級者予想になりますが、昨年の藤本渚四段ほどの大型新人が居ないので既存実力者の争いになりそうです。しかし、ここぞという時に勝てず、つまらないところで敗けて昇級を逃がしている面々なのでフタを開けてみなければ分からないというのが率直な見方になります。従って今期は本命無しとします。万年昇級候補の梶浦宏孝七段、八代弥七段、佐々木大地七段、本田奎六段の4名はいずれも対戦相手に恵まれた感じがします。しかし、梶浦x八代、佐々木大地x本田の直接対決が組まれたのでこの勝者が昇級に大きく近付きそうです。ただ、梶浦、八代の両者は共に高野智史六段戦が組まれたので高野智史六段に敗れると昇級は難しくなりそうです。これに対して佐々木大地、本田の両名はよほどのことが無い限り敗けるハズが無いという相手ばかり。

 ※万年昇級候補の四巨頭の内、前半戦に登場したのは佐々木大地七段と八代弥七段の二名。佐々木大地七段はベテラン九段を破り、八代七段はデビュー初年度の2022年度に勝ちまくった徳田拳士四段との対戦でしたが徳田四段は早くも壁にぶち当たったようで精彩を欠き八代七段に白星をプレゼント。私期待の徳田四段は手強い相手が多いことから壁を突き破らない限り今期の昇級は無さそうです。高野智史六段は躓き、初参戦で新人王戦優勝の上野裕寿四段は一期抜けも有るかと期待しましたが黒星発進。調子を崩してしまった感が無きにしも非ず。

 ※降級点を2つ持っていて陥落のピンチに立つ5名の内、上村亘五段と田中悠一六段は勝ちましたが瀬川晶司六段は黒星発進。長岡裕也六段と安用寺孝功七段は後半戦に登場します。

②●高橋道雄九段(1位・1敗)vs〇宮嶋健太四段(51位・1勝)

③〇田中悠一六段(45位★★・1勝)vs●日浦市郎八段(2位・1敗)

④●徳田拳士四段(15位・1敗)vs〇八代弥七段(4位・1勝)

 ※徳田四段は期待しているのですが最近は勝ち方を忘れてしまった感じ。八代七段は曲者相手の初戦となりましたは何とか勝って白星発進。

⑤〇岡部怜央四段(5位・1勝)vs●齋藤裕也四段(40位・1敗)

 ※岡部四段は好位置に上がってチャンスをモノにしないと長期滞留になりかねません。

 ※参加初年度の前期4勝6敗の齋藤裕也四段は黒星スタートで今期も苦戦が予想されます。

⑥〇藤森哲也五段(36位・1勝)vs●村中秀史七段(7位・1敗)

⑦〇池永天志五段(8位・1敗)vs●山川泰熈四段(53位・1敗)

⑧●渡辺大夢六段(28位・1敗)vs〇石川優太五段(9位・1勝)

⑨●谷合廣紀四段(11位・1敗)vs〇佐藤秀司八段(34位・1勝)

➉〇小山直希四段(30位・1勝)vs●高野智史六段(12位・1敗)

 ※高野智史六段は初戦で躓いて昇級争いから1歩後退。厳しい1年になりそうです。

⑪●森下卓九段(23位・1敗)vs〇佐々木大地七段(14位・1勝)

⑫●黒沢怜生六段(17位・1勝)vs〇長谷部浩平五段(42位★・1勝)

⑬■中村亮介六段(18位・1敗)vs□平藤眞吾七段(47位★・1勝)

⑭〇阿部光瑠七段(37位★・1勝)vs●井出隼平五段(19位★・1敗)

⑮〇佐藤慎一五段(20位★・1勝)vs〇上野裕寿四段(52位・1敗)

⑯●牧野光則六段(28位・1敗)vs〇小林裕士八段(44位★・1勝)

⑰●森本才跳四段(31位・1敗)vs〇上村亘五段(43位★★・1勝)

⑱●瀬川晶司六段(49位★★・1敗)vs〇杉本和陽五段(32位・1勝)

 

(3)第74期王将戦一次予選8組決勝

⑲●山崎隆之八段vs〇西田拓也五段(先)

 ※4年ぶりの4戦目で山崎八段が2勝1敗とリードしています。

 ※勝った西田五段は二次予選進出。

 

 

(4)第96期棋聖戦一次予選チ組1回戦

⑳〇中田功八段vs●豊川孝弘七段(先)

 ※勝った中田八段は2回戦で井田明宏四段と対戦します。

 

 

(5)第32期銀河戦Gブロック6回戦

㉑●畠山鎮八段(先)vs〇西尾明七段

 ※勝った西尾七段は7回戦で谷川浩司17世名人と対戦します。

 

◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)