伊藤匠七段敗れる・6月5日の将棋対局結果確報(2024.6.7) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆伊藤匠王手飛車を掛けた後飛車を取ったのが敗着

・6月5日の将棋対局結果速報

 

(1)第37期竜王戦5組昇級者決定戦Bブロック3回戦

①●阿部隆九段(先)vs〇出口若武六段

 ※阿部隆九段(56歳)は859勝642敗、勝率.572で対局数1501局は現役13位。引退まで貯金を残せそうです。出口若武六段(29歳)は147勝79敗、勝率.650。50歳になっても勝率6割を維持している棋士は一流と言えましょうか。

 ※勝った出口六段は4回戦で長谷部浩平五段と対戦します。

 

(2)第37期竜王戦6組昇級者決定戦

・Aブロック1回戦

②●脇謙二九段(先)vs〇西田拓也五段

 ※脇謙二九段(63歳)は655勝730敗、勝率.473。フリークラス宣言者で現役は来年度の第84期まで。西田拓也五段(32歳)は188勝107敗、勝率.637。

 ※勝った西田五段は2回戦で齋藤裕也四段vs島本亮五段戦の勝者と対戦します。

 

③●有森浩三八段vs〇横山友紀四段(先)

 ※有森浩三八段(61歳)は540勝527敗、勝率.506。フリークラス宣言者で現役は今年度の第83期まで。貯金が13有るので黒字で引退を迎えられそうです。横山友紀四段(24歳)は31勝46敗、勝率.403と厳しい棋士人生となっています。

 ※勝った横山四段は2回戦で福崎文吾九段vs森本才跳四段戦の勝者と対戦します。

 

・同2回戦

④●森下卓九段(先)vs〇大平武洋六段

 ※森下卓九段(57歳)は988勝738敗、勝率.572。1000勝まであと12勝に漕ぎ着けています。順位戦はC級2組で後がありませんが今期(第83期)は23位で降級点は持っていないので第85期までの在籍は確定しています。今期は若手の強いところと多く組まれているので厳しい1年になりそうです。4勝できれば降級点は回避できそうです。大平武洋六段(47歳)は272勝346敗、勝率.440。第80期からフリークラスに属しているので現役は第89期(2030年度)まで。

 ※勝った大平六段は3回戦で島朗九段vs所司和晴七段戦の勝者と対戦します。

 

・Bブロック1回戦

⑤●近藤正和七段(先)vs〇田中悠一六段

 ※近藤正和七段(53歳)は398勝439敗、勝率.476。順位戦はC級2組で降級点を1つ持っているので第95期(2036年度)までの現役が確定。田中悠一六段(39歳)は224勝267敗、勝率.456。順位戦はC級2組45位で降級点を2つ持っているので今期降級点を取るとフリークラスに降級となります。フリークラスに落ちると10年以内にC級2組に復帰しない限り引退となります。将棋棋士の定年は65歳となっていますが大雑把に言って55歳までC級2組に留まっていた場合のことで55歳以前にフリークラスに落ちてしまうと定年前に引退となってしまいます。田中六段はまだ39歳ですから今期勝ち越すか5勝5敗を2回続けて降級点を1つ減らすと随分楽になります。今期は4勝を挙げないと降級になる可能性が高いです。

 ※勝った田中六段は2回戦で岡崎洋七段と対戦します。

 

⑥□堀口一史座八段vs■中村亮介六段

 ※堀口一史座八段(49歳)は420勝464敗、勝率.475。今期からフリークラスとなったので第91期(2034年度)までにC級2組に復帰しないと引退となります。中村亮介六段(38歳)は329勝304敗、勝率.520。順位戦はC級2組18位で降級点は持っていません。

 ※堀口八段が不戦勝。2回戦で浦野真彦八段vs小倉久史八段戦の勝者と対戦します。

 

・同2回戦

⑦●畠山成幸八段(先)vs〇宮嶋健太四段

 ※畠山成幸八段(54歳)は563勝570敗、勝率.497。順位戦はC級1組26位で降級点を保持しています。宮嶋健太四段(24歳)は昨年10月プロ入りで今年度は初年度。成績は5勝6敗、勝率.455と苦戦。

 ※勝った宮嶋四段は3回戦で古賀悠聖六段vs今泉健司五段戦の勝者と対戦します。

 

⑧●神谷広志八段vs〇小山直希四段(先)

 ※神谷広志八段(63歳)は598勝705敗、勝率.459。65歳になる第85期(2026年度)まで現役。小山直希四段(24歳)は23勝18敗、勝率.561。

 ※勝った小山直希四段は3回戦で富岡英作八段vs松本佳介七段戦の勝者と対戦します。

 

(3)第72期王座戦挑戦者決定トーナメント2回戦

⑨●豊島将之九段vs〇広瀬章人九段(先)

 ※豊島将之九段(34歳)は600勝310敗、勝率.659。広瀬章人九段(37歳)は508勝312敗、勝率.620。対戦成績は14勝14敗の五分ですが直近は広瀬九段が4連勝中。

 ※勝った広瀬九段は準決勝進出で羽生善治九段vs糸谷哲朗八段戦の勝者と対戦します。

 

(4)第74期王将戦一次予選

・2組決勝

➉飯島栄治八段vs杉本和陽五段(先)⇒ 千日手

 ●飯島栄治八段(先)vs〇杉本和陽五段

 ※飯島栄治八段(44歳)は493勝362敗、勝率.577。杉本和陽五段(32歳)は170勝108敗、勝率.612。

 ※勝った杉本和五段は二次予選進出。

 

・4組決勝

⑪●伊藤匠七段vs〇岡部怜央四段(先)

 ※伊藤匠七段(21歳)は143勝50敗、勝率.741。岡部怜央四段(25歳)は47勝32敗、勝率.595。対戦成績は伊藤匠七段が2勝して3戦目。

 ※後手番に回った伊藤匠七段は得意の角換わりに応じましたが一進一退の接戦から岡部四段が優勢に。しかし、決め手を逸して二転三転の大激戦。136手目伊藤匠七段が▽5五角と王手飛車取り。この時点ではほぼ互角、137手目岡部四段は▲7七歩と王手を防ぎましたが▲7七桂の防ぎがベストで形勢は一気に伊藤匠七段が大いに優勢に。ここで▽7六桂と王手を掛けてから飛車を取れば良かったところ先に飛車を取ったために形勢逆転。しかし、その後も伊藤匠七段に二度目の王手飛車の筋が生じたりして再逆転の目も有りましたが守りの馬をタダで取られて岡部四段が勝勢に。伊藤七段は106手目、岡部四段は131手目で1分将棋になっていて波乱万丈、スリル満点の大激戦でありました。勝った岡部四段は二次予選進出。伊藤匠七段は6月20日の運命の叡王戦第5局を前にイヤな敗戦になりました。

 

・6組決勝

⑫〇藤本渚五段vs●横山泰明七段(先)

 ※藤本渚五段(18歳)は65勝16敗、勝率.802。横山泰明七段(43歳)は454勝301敗、勝率.601。

 ※超新星・藤本五段が一方的に攻め勝って完勝。二次予選進出。今年度も9勝3敗とマズマズの滑り出し。

 

◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)