◆5月9日の将棋対局結果
◆第35期女流王位戦五番勝負第2局
・●加藤桃子女流四段(先・2敗)vs〇福間香奈女流王位(五冠・2勝)
※女流棋界は当分の間福間・西山2強時代が続きそうな様相で加藤女流が先手番をキープ出来ないようだと福間女流王位の6連覇(通算10期)の可能性が強まります。
※加藤女流上手く差し回して優勢を築きましたが決め手を掴みかねてモタモタしている内に福間女流が実力をもって追い上げ逆転。加藤女流惜しい将棋を落してカド番に。
(1)第82期名人戦七番勝負第3局2日目
①〇藤井聡太名人(先・3勝)vs●豊島将之九段(3敗)
※並行して行われている第9期叡王戦では挑戦者の伊藤匠七段に2連敗してタイトル戦初のカド番に追い込まれた藤井聡太名人。昨年度の出来が良過ぎた反動が出てきたのかもしれません。本局で敗れると2021年9月17日以来の2連敗となります。
※1日目は豊島九段が角換わりを拒否して雁木の戦いに。藤井聡太名人は棒銀で2筋突破を伺う構えを見せれば豊島九段は34手目で9筋の歩を突かず▽4一玉と玉を狙われている2筋に近付けたことからAIは藤井聡太名人有利の判定。藤井名人は▲1五銀~▲2四銀と出て銀が捌ける形になり棒銀は成功。豊島九段は▽2二歩と打って辛抱して反撃を狙い藤井名人が45手目▲2三歩と打つか?▲1六段角と打ってから▲2三歩と打つか?というところで封じ手の時間となりました。藤井名人は42分考えて封じて1日目が終了しました。AIは素直に▲2三歩打ちを推奨しています。残り時間は藤井名人が5時間53分と余裕を残し、豊島九段は3時間42分と過半を消費して苦戦の様相。
※藤井聡太名人、連敗せず。それにしても豊島九段は精彩がありません。豊島九段は例年上半期は滅法強く、下半期に調子を落とすというパターンが続いていて2023年度は上半期14勝5敗(勝率.737)と快調でしたが下半期は10勝15敗(勝率.400)と極端に成績が悪化。年度末は菅井竜也八段を破って名人挑戦権を獲得、続いて斎藤慎太郎八段を破って復調成って今年度も上半期は快調に飛ばすかと思われましたが、今年度緒戦で超新星・藤本渚五段に敗れて再び変調を来たしたか名人戦七番勝負が始まって藤井名人に3連敗。5月2日には「お得意さん」で15連勝中であった佐藤天彦九段にも敗れていて目下5連敗中と一寸深刻なスランプに陥ったのかもしれません。羽生善治九段が無冠になって8つのタイトルを8人で分け合う「戦国時代」を終わらせた豊島九段と渡辺明九段が共に絶不調とあっては面白くありません。早期の復調を期待したいののです。藤井名人は叡王戦で初のカド番に追い込まれて調子落ちが懸念されましたが本局は豊島九段の不調もあってか全く危なげない完勝。
(2)第37期竜王戦1組出場者(5位)決定戦決勝
②●丸山忠久九段vs〇斎藤慎太郎八段(先)
※伊藤匠七段が4階級特進で1組に入ったため斎藤慎太郎八段は1戦余計に戦うという割りの悪い立場に置かれましたが強敵を連破して決勝進出。
※勝った斎藤慎太郎八段は決勝トーナメント出場権を獲得で1組5位として4組以下の優勝者に対する「一の壁」の役割を担います。
(3)第37期竜王戦2組昇級者決定戦
・Aブロック1回戦
③〇三浦弘行九段(先)vs●近藤誠也七段
※勝った三浦九段は2回戦で藤井猛九段と対戦、敗れた近藤誠也七段は3組に降級となります。
・Bブロック1回戦
④〇佐藤天彦九段(先)vs●佐藤和俊七段
※勝った佐藤天彦九段は2回戦で糸谷哲朗八段と対戦、敗れた佐藤和俊七段は3組に降級となります。
(4)第37期竜王戦4組ランキング戦準決勝
⑤〇村中秀史七段(先)vs●高崎一生七段
※勝った村中七段は決勝進出で来期3組に昇級し、船江恒平六段vs高野智史六段戦の勝者と対戦します敗れた高崎七段は残留者決定戦に回ります。
(5)第37期竜王戦5組ランキング戦準決勝
⑥〇渡辺和史六段vs●井田明宏四段(先)
※勝った渡辺和史六段は決勝進出で来期4組に昇級が決定、決勝では5組優勝と決勝トーナメント出場権を懸けて西尾明七段と対戦します。敗れた井田明宏四段は昇級者決定戦Aブロック決勝戦に回ります。
(6)第37期竜王戦5組昇級者決定戦
・Aブロック2回戦
⑦●畠山鎮八段vs〇門倉啓太五段(先)
※勝った門倉五段は3回戦中川大輔八段vs千葉幸生七段戦の勝者と対戦します。
・Bブロック2回戦
⑧●中村太地八段vs〇村田智弘七段(先)
※中村太地八段まさかの敗戦。勝った村田智弘七段は3回戦で井上慶太九段vs田村庸介七段戦の勝者と対戦します。
(7)第37期竜王戦6組ランキング戦準決勝
⑨●井出隼平五段vs〇山下数毅三段(先)
※勝った山下三段は来期5組に昇級が決定、決勝戦では6組優勝、決勝トーナメント出場権獲得を懸けて古森悠太五段vs藤本渚五段戦の勝者と対戦します。山下三段は三段リーグ戦で次点を持っているので竜王戦6組で優勝すると次点2回に相当する扱いでフリークラス編入=プロ入りの資格を取得します。敗れた井出五段は昇級者決定戦決勝に回ります。
(8)第50期棋王戦予選
・1組準決勝
➉●深浦康市九段(先)vs〇及川拓馬七段
※勝った及川七段は決勝進出で飯塚祐紀八段vs梶浦宏孝七段戦の勝者と対戦します。
・5組準決勝
⑪●戸辺誠七段vs〇黒沢怜生六段(先)
※勝った黒沢六段は決勝進出で池永天志五段vs小山怜央四段戦の勝者と対戦します。
(9)第74期王将戦一次予選
・へ組1回戦
⑫●矢倉規広七段(先)vs〇今泉健司五段
※勝った今泉五段は同日2回戦で⑬の勝者・神崎健二八段と対戦して勝利。
⑬〇神崎健二八段vs●畠山成幸八段(先)
※勝った神崎八段は同日2回戦で⑫の勝者・今泉健司五段と対戦しましたが敗退。
・同2回戦
⑭〇今泉健司五段(⑫の勝者)vs●神崎健二八段(先・⑬の勝者)
※勝った今泉五段は3回戦進出。
(10)第32期銀河戦Fブロック5回戦
⑮●飯塚祐紀八段(先)vs〇森本才跳四段
※森本四段が勝って5人抜き達成。6回戦で都成竜馬七段と対戦します。
◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)