NHK杯将棋トーナメント運営方針を分析(2024.3.27) | 東京の四季(庭園&公園)のブログ

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◆NHK杯将棋トーナメント

    運営方針を分析

・本戦1回戦/藤本渚五段vs山崎隆之八段戦

 

◆TV棋戦の銀河戦とNHK杯はライブではなくて録画なので放送前に対局が行われ録画した映像を後日放送することになりますが、1回戦と2回戦は大体半年前くらいに収録しているように思われます。

◆銀河戦は8月の中下旬に予選が行われ、本戦トーナメントは1月の第1火曜日に放送が開始され毎週火曜日と木曜日、週2回放送されて2023年は12月の最終火曜日である26日に決勝トーナメントの決勝戦が放送されました。しかし、放送局の「囲碁・将棋チャンネル」では有料放送で1カ月くらい早く放送して結果をあまり目立たないように公開しています。また、放送が済むと速やかに結果、収録日(対局日)を公開しているのでイラつきはNHK杯ほど酷くありません。なお、銀河戦の予選は複雑過ぎるので詳細は省略させて頂きますが全部で80局ほど行われるようです。予選の後はAからHまでの8ブロックに分かれ各ブロック12名て本戦トーナメント(パラマス方式)が行われ、各ブロック2名が決勝トーナメントに進出します。

◆NHK杯は2月の中下旬に予選が行われ、今年の第74期の予選結果は3月26日に公開されました。予選は150名近い棋士の中から18名を抽出するので1日に3局収録されます。3連勝して本戦出場を勝ち取った棋士は大いに成績を上げることになるので結果は大きな楽しみになります。4月の第1日曜日から本戦トーナメントの放送が開始され翌年3月の第3日曜日に決勝戦がされる日程となっているようです。しかし、放送が終っても将棋連盟の集約、レート計算が2、3日遅れたり収録日(対局日)は完全秘密にしているので細かい実態は分からず仕舞で、なおかつ予選、本戦終盤が年度末に近いのでストレスが大いに溜まります。簡単に言えば、年度の勝率、連勝、最多勝など重要な記録確定が闇の中に置かれることになるからです。関係者だけが知っているというのも癪に障ります。

◆さて、今年度の場合は藤井聡太竜王(八冠)と最新鋭・藤本渚五段が歴代最高勝率を更新しそうな快進撃で勝率争いを演じて私としては最高レベルの興奮を持って注目していたのですが藤井聡太竜王は全対局を終了して46勝8敗、勝率.85185で記録更新成らず。藤本渚五段は2局残して50勝9敗、勝率.84745。2局残しというのは第74回NHK杯の本戦1回戦が今年度中に収録済の可能性が高いという見立てによります。残り2局の対戦者が共に山崎隆之八段という強豪であることも面白い偶然。藤本五段が連勝すれば52勝9敗、勝率.85245となって藤井竜王を上回りますが、一部報道によれば年度勝率部門では藤井聡太竜王の首位が確定したとのことで、この報道がフライイングによる誤報でなければ藤本五段は1敗を加えていなければなりません。明日3月28日に予定されている王座戦二次予選決勝は結果が分かりませんから、敗けているとすれば収録済であろうと思われるNHK杯本戦1回戦しかありません。この論法で藤本渚五段の現時点の成績は50勝10敗、勝率.8333と推定。3月28日の対局に勝てば51勝10敗で勝率.83606。敗れていれば50勝11敗、勝率.81967と大きく下がってしまいます。

◆テレビ放送ですから結果は伏せて勝敗に対する関心を高めて少しでも高い視聴率を獲得したいという方針はご尤もとは思いますが、徹底した情報隠蔽というと大袈裟になりますが、過度の情報管理は時として大迷惑と感じるものがあります。