◆1月31日の将棋対局結果
(1)第82期順位戦A級9回戦
※残り2局となって8回戦、9回戦は一斉に行われます。今期は豊島将之九段が安定した強さを見せて6連勝と独走。挑戦権の行方はほぼ決まった、と思われましたが下半期に入って変調を来して、上半期14勝5敗、勝率.737から8勝13敗、勝率.381へと急降下。レートも1,919点から1,835へと―84点の大暴落。泥沼に嵌り込んだかのような戦いぶりとなっています。今期は星の潰し合いが激しい中、菅井八段は5勝1敗で浮上して来ましたが7回戦で渡辺明九段に敗れて5勝2敗となり4勝3敗の渡辺明九段、永瀬拓矢九段にもプレーオフの目が出て来て俄かに混戦模様となりました。8回戦は上位同士の直接対決はありませんが上位棋士は降級の可能性がある棋士との対戦になって降級を免れるために必死で向かって来るでありましょうから苦戦は必至。特に豊島九段は6日前に敗れたばかりの斎藤慎太郎八段との対戦で、勝てばプレーオフ以上、敗けても挑戦権争いの首位をキープ出来るという心理と、敗けると降級の可能性が高まるという心理の戦いになるのが勝敗にどのように影響するかが見所となりましょうか。広瀬章人九段vs稲葉陽八段戦は降級候補同士の対戦で広瀬九段は敗れると降級の可能性が深まり、稲葉八段は勝てば助かりそうな状況。観戦する側とすれば8回戦は対局の結果が最終9回戦の景色を大きく変えることになりますから全局手に汗を握っての観戦になりましょう。
※ラス前の8回戦は挑戦権争いの首位を走る豊島将之九段と2番手に付けていた菅井達也九段が共に敗れ、2勝5敗の広瀬章人九段と斎藤慎太郎八段が共に勝って3勝5敗の棋士が4名となって大混戦に。挑戦権争い、降級争い共に最終戦に持ち越されました。
※挑戦権争いは、
①豊島〇なら挑戦権獲得
②豊島●なら菅井〇となり、永瀬が〇なら5勝3敗で3者が並んでプレーオフ。永瀬が●なら豊島と菅井でプレーオフ。
※降級争いは、4勝4敗の佐藤天彦九段(8位)と中村太地八段(10位)、3勝5敗の広瀬章人九段(2位)、斎藤慎太郎八段(5位)、稲葉陽八段(7位)、佐々木勇気八段(9位)の6名の争い。4勝4敗でも渡辺明九段は順位の関係で残留が確定しています。
※1人目の降級者は、3勝6敗同士の斎藤慎太郎x佐々木勇気戦が直接対決で簡単に決まります。要するに敗けた方が降級となります。
①佐々木勇気●なら降級が決定しますが〇で4勝5敗となっても残留とは行きません。助かるためには3勝6敗が2名出ること、あるいは3勝6敗が1名だけなら中村太地八段が●で4勝5敗になった場合のみという厳しさ。斎藤慎太郎は4勝5敗になって残留が確定。この結果、
・広瀬は渡辺明に〇なら残留、●だと下位で3勝6敗が2名出た場合のみ残留。と、いうことは斎藤慎太郎が佐々木勇気
に勝って4勝5敗になっているので3勝6敗で終わる可能性が有るのは佐々木勇気の他は稲葉陽1名のみとなり広瀬は
渡辺明に●だと稲葉が●になった場合のみ助かります。
・稲葉は佐藤天に●だと降級、〇だと残留。
・佐藤天彦は〇なら残留、●だと稲葉が4勝5敗と同星になり佐藤天より上位になるので危険が生じます。
・助かる条件は中村大地か広瀬のどちらかが●になること。佐々木勇気は勝っても4勝5敗で同星なので佐藤天より下
位になり佐々木勇気の勝ち負けは影響ありません。要するに降級となるのは稲葉に●で中村太地、広瀬が共に〇の
場合。
・中村太地は〇なら残留、●だと残留するためには3勝6敗が2名必要になります。広瀬、斉藤慎太郎、稲葉の3名
の内2名が●になることが必要。
②佐々木勇気〇なら斎藤慎太郎が●となって降級が決定。
・広瀬は●だと稲葉が●の場合のみ助かります。
・稲葉は〇なら残留、●だと降級。
・中村太地は広瀬か稲葉のどちらかが●の場合助かります。
①〇中村太地八段(10位・4勝4敗)vs●渡辺明九段(4勝4敗)
②〇広瀬章人九段(2位・3勝5敗)vs●稲葉陽八段(7位・3勝5敗)
③●豊島将之九段(3位・6勝2敗)vs〇斎藤慎太郎八段(5位・3勝5敗)
④●佐々木勇気八段(9位・3勝5敗)vs〇永瀬拓矢九段(4位・5勝3敗)
⑤〇佐藤天彦九段(8位・4勝4敗)vs●菅井竜也八段(6位・5勝3敗)
(2)第72期王座戦一次予選
・ロ組準決勝
⑥〇佐藤和俊七段vs●谷合廣紀四段(先)
※勝った佐藤和七段は決勝進出で西尾明七段と対戦します。
・ホ組準決勝
⑦〇古森悠太五段(先)vs●冨田誠也四段
※勝った古森五段は決勝進出で折田祥吾五段vs井田明宏四段戦の勝者と対戦します。
・へ組3回戦
⑧●村田智弘七段(先)vs〇池永天志五段
※勝った池永五段は準決勝進出で竹内雄悟五段vs西田拓也五段戦の勝者と対戦します。
(3)第50期棋王戦予選
・4組2回戦
⑨●片上大輔七段vs〇金井恒太六段(先)
※勝った金井六段は3回戦で高橋道雄九段vs高見泰地七段戦の勝者と対戦します。
・7組2回戦
➉●安用寺孝功七段(先)vs〇古賀悠聖五段
※った古賀五段3回戦で谷川浩司17世名人vs冨田誠也四段戦の勝者と対戦します。
⑪●北浜健介八段vs〇小林裕士八段(先)
※小林裕士八段(47歳)は2023年12月12日付で八段に昇段しました。
※勝った小林八段は3回戦で長岡裕也六段vs柵木幹太四段戦の勝者と対戦します。
・3組2回戦
⑫〇飯島栄治八段vs●千葉幸生七段
※勝った飯島八段は3回戦で高野秀行六段vs三枚堂達也七段戦の勝者と対戦します。
(4)第74期王将戦一次予選
・3組2回戦
⑬●佐藤慎一五段vs〇星野良生五段(先)
・9組2回戦
⑭●平藤眞吾七段(先)vs〇都成竜馬七段
※勝った都成七段3回戦で糸谷哲朗八段vs大橋貴洸七段戦の勝者と対戦します。
◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)