◆遂に豊島九段に初●
・1月19日の将棋対局結果
(1)第37期竜王戦2組ランキング戦1回戦
①〇深浦康市九段(先)vs●佐藤天彦九段
※名人を失って以来低迷の感が有った佐藤天彦九段ですが振飛車採用の効果が表れ始めたか下半期に入ってNHK杯の2勝を除くと9勝2敗、目下5連勝中と復活の気配が色濃くなって来ました。深浦九段も不調続きでしたが今年度はB級1組に復帰しそうで20勝7敗、勝率.741と絶好調。2年ぶりの12戦目で今まで深浦九段が8勝3敗と大きく勝ち越しています。
※久々に好調の深浦九段が佐藤天彦九段の四間飛車を粉砕。2回戦で郷田真隆九段と対戦、敗れた佐藤天彦九段はは昇級者決定戦に回って佐藤和俊七段と対戦します。
(2)第37期竜王戦5組ランキング戦2回戦
②〇中川大輔八段vs●真田圭一八段(先)
※中川55歳、真田51歳で初手合わせは1993年9月のC級2組4回戦でプロ入り2年度目の真田四段が中川五段に勝利。以来、真田6勝、中川4勝。3年4か月ぶりの対戦。
※中川八段が1勝差に迫る5勝目で3回戦進出。
(3)第82期順位戦A級7回戦最終局
③●豊島将之九段(3位・6勝1敗)vs〇広瀬章人九段(2位・2勝5敗)
※豊島九段は菅井八段に2勝差を付けて独走状態ですが下半期に入って調子を崩し8勝11敗と敗け越し。しかもかなり下位の棋士にも敗れているので不安材料が一杯。一方の広瀬九段も今年度13勝17敗と大苦戦で順位戦も1勝5敗で目下最下位。少なくともあと2勝を挙げないと連続10期在籍中のA級から去ることになりそうです。豊島九段はあと2勝で名人挑戦権獲得となりますが今回、次回8回戦と降級の心配がある棋士との対戦となってイヤな感じですが1勝すれば悪くてもプレーオフという状況なのでかなり有利な立場であるとは言えます。
※広瀬九段が解説者に流石と言わせる強さを発揮して順位戦2勝目。斎藤慎太郎八段と同星になって順位の差で最下位を脱しました。次回の稲葉陽八段には勝たないと降級の可能性が高まり、3勝で終わると危険が多分に残ります。豊島九段の不調は深刻なようで次戦の斎藤慎太郎八段も降級の危機に追い込まれているので必勝の気構えで立ち向かって来るでしょうから厳しい終盤になりそうです。今年度タイトル戦登場の機会が無かった豊島九段で名人挑戦権を獲得して存在感を示したいところでしょう。
(4)第72期王座戦一次予選
・ハ組3回戦
④●阿部光瑠七段(先)vs〇伊藤匠七段
※阿部光瑠七段は13年度目になりますがまだ29歳。16歳でプロ入りした時には将来を大いに嘱望されたことと思いますがスッカリ燻ぶってしまった感じで大奮起が望まれます。伊藤匠七段は充実一途で№2の座に定着しそうな勢いです。
※安定感が増した伊藤匠七段が圧勝して準決勝進出。高野智史六段と対戦します。
・二組3回戦
⑤〇服部慎一郎六段(先)vs●狩山幹生四段
※服部慎一郎六段(24歳)はプロ入り4年度目で3年連続で勝率7割台の快進撃でしたが今年度は23勝11敗、勝率.657とやや勢いが弱まった感じですが順位戦ではB級2組昇級が有力でトップ棋士の仲間入り間近。
※勝った服部六段は準決勝進出で船江恒平六段と対戦します。
(5)第72期王座戦二次予選9組1回戦
⑥●森内俊之九段(先)vs〇戸辺誠七段
※勝った戸辺七段は準決勝で増田康宏七段と対戦します。
(6)第74期王将戦一次予選
・4組1回戦
⑦〇青野照市九段(先)vs●富岡英作八段
※今年度で引退が決まっている青野照市九段が通産799勝目を挙げて800勝迄あと1勝に迫りました。青野九段は2回戦で渡辺和史六段と対戦します。
・7組1回戦
⑧●矢倉規広七段(先)vs〇伊奈佳介七段
※勝った伊奈七段は2回戦で中田功八段と対戦します。
(7)第95期棋聖戦二次予選
・9組決勝
⑨〇井上慶太九段(先)vs●畠山鎮八段
※勝った井上九段者は挑戦者決定トーナメント進出。
・11組決勝
➉●斎藤慎太郎八段(先)vs〇西田拓也五段
※西田五段(32歳)は2017年4月25歳でプロ入り。斎藤慎八段(30歳)は2012年4月18歳でプロ入りと2歳年少の斎藤慎八段が5年早くプロ入りした関係で対戦は少なく、初手合わせは西田五段が奨励会三段リーグ時代の2012年6月の第2期加古川清流戦2回戦で斎藤慎八段は四段に成ったばかりの時で西田三段が勝ってベスト8まで勝ち上がっています。2戦目は8年後の2020年11月の第14回朝日杯二次予選1回戦で西田四段の勝ち。3戦目は2021年8月の第63期王位戦予選3回戦で斎藤慎八段が初勝利。
※斎藤慎太郎八段はどうもピリッとせず借金が3つに増えました。勝った西田五段は挑戦者決定トーナメント進出。
◆将棋連盟 棋士別成績一覧(レーティング)