3分間クラブミュージックの時代へ | Future Cafe

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NOTHING BUT THE BEAT/DAVID GUETTA

デヴィッド・ゲッタの新作「NOTHING BUT THE BEAT」を購入した。内容はいかにも王道のエレクトロポップといった感じで、別段どうということもないのだが、気になったのはその収録時間が41分45秒(全12曲)と短いことだ。1曲当たり3分47秒という計算になる。通常、クラブミュージックの場合は、1曲が5分以上に及ぶケースが多く、トータルの収録時間が70分を超える作品も少なくない。そうした中にあって収録時間が41分45秒というのはいかにも短すぎる。
しかし、「NOTHING BUT THE BEAT」はクラブミュージックではなく、ポップミュージックであると考えれば、41分45秒は妥当な長さといえるのかも知れない。そういえば、ジェームス・ブレイクのファーストアルバム「JAMES BLAKE」も全11曲で38分07秒だったし、サムアイアムのファーストアルバム「SAM BAKER'S ALBUM」も全17曲で39分57秒だった。ジェームス・ブレイクはダブステップ&ソウルを基調としたクリエイターであり、サムアイアムはフライング・ロータスのレーベル Brainfeederからアルバム出しているL.A.ビート・シーンの新鋭であり、両者共にデヴィッド・ゲッタとは出自も音楽の傾向も異なるのだが、クラブミュージックの形態をとりながらもポップミュージックを志向しているようなところが共通しているといえなくもない。
ダウンロード時代を迎えて、パッケージとなるメディアに収録時間が規定されなくなったということも、多少は関係しているのだろうか。レコードからCDに移行してから登場した収録時間70分を超える作品は、集中して聴くには長過ぎるし、曲のクオリティにもバラツキが出るなのは否めない。クラブカルチャーの衰退と同調するように、クラブミュージックといった存在が、人を踊らせるという機能を放棄し(その時点で、もはやクラブミュージックとはいえないのだが)、音楽へと回帰していく中、これからは収録時間40分前後の作品が増えていくことは間違いないだろう。
前述のアルバムやゴンザレスの「THE UNSPEAKABLE」(40分08秒)などにその兆候が、既に現れている。その一方で、リカルド・ヴィラロボスやクラブミュージックとは異なるところだ。$ohaboのブログ