近々、桂離宮を再訪するにあたり、数冊の関連書を読んでいる。
本書は、建築史界では、リストにも外されたという問題書だ。そういう扱いを受けて著者も悲憤慷慨している。
「神話」は、何より1930年代、ブルーノ・タウトが桂離宮を「発見」した、というあたりから現れた。ホントかどうか。著者は丹念にその前後の桂離宮評価を調べてゆく。
調べた結果わかったのは、まず、タウトを恣意的に曲解したモダニズム建築家たちが神話化の一因である、ということだ。タウト自身は、機能美を謳うモダニズムには収まらない美意識を持っていた。
その後、丹下健三、磯崎新らは、桂離宮にポストモダンさらにはマニエリスムを見出してゆく。
著者は、巻頭「桂離宮の良さがわからない」と書く。それが本書が建築史界に排斥された原因だ。なかなかへそ曲がりの御仁のようで興味深い。


