これまでの生物分類は、植物界と動物界というものだった。いまは、リボゾームRNAによる分類で、細菌類はその大部分を占める。地球は、微生物の惑星といってもよく、人類はちっぽけな存在にすぎない。
私たちヒトの体内には、100兆個もの細菌が常在している。常在細菌叢を「マイクロ・バイオータ」と呼ぶ。その存在なしには、1日たりとも生存できない。その仕組みを「マイクロバイオーム」という。
本書は、抗生物質の過剰な使用が、このシステムを撹乱してしまったことを書く。ついこの30年ほどのことだ。それ以前には抗生物質がなくてヒトは死んだ。いまは抗生物質を使い過ぎて、死ぬのである。
筆者は言う。ヒトは細菌と共生するほかはない、と。



