新潟県内では北陸新幹線と上越新幹線との間で新幹線路線がつながっておらず、いわば分断状態が続いています。


これを解消するために、つい最近、新潟県が提案した構想の中に「北越急行・ほくほく線をミニ新幹線化する」があり、大きな話題を呼んでいます。


ほくほく線をミニ新幹線化するにしても、北陸新幹線の上越妙高駅から北越急行・ほくほく線のうらがわら駅もしくは虫川大杉駅付近まで約22kmの区間をフル規格新線にて敷設することで、少しは計画が一歩前進するはずです。


上越妙高駅付近では、山陽新幹線の徳山駅や東海道新幹線の熱海駅みたく、新幹線にとってやや急なカーブとなるため、時速170km/hくらいまで減速して通過しなければなりませんが、将来的に羽越新幹線の一部区間として整備されたとなれば、上越妙高〜長岡間のフル規格整備に向けたハードルを少しでも下げられる可能性があり、期待が高まるはずです。


山の中をトンネルで突っ切る形となるため、事業費が約数千億円にも上るとの試算もあります。


この区間の整備により、新潟県内の東西の往来や関西圏〜新潟県内への移動、往来、交流がスムーズになり、活発になることが予想されます。


一番良いのは、上越妙高駅から長岡駅までの区間をフル規格で整備して、間に新柏崎駅(仮称)を設けるのが一番でしょう。


これにより、柏崎市は首都圏と関西圏、北陸各都市との結びつきが強くなるはずですが、並行在来線となる信越本線の長岡〜直江津間がJR東日本から経営分離される可能性があります。もし、そうなれば、新潟県の負担が今まで以上に増大する可能性があります。


旅客輸送の高速化と引き換えにそうした問題が生じる可能性があります。



一方で、北越急行・ほくほく線をミニ新幹線化する場合はそうした問題が生じる懸念はあまりないかもしれませんが、やや遠回りになる上、柏崎市を経由しないことから、十日町市と柏崎市との間で新幹線の有無による地域格差が生じる可能性が考えられます。


どちらにせよ、新幹線の整備は地域によって格差を生じやすいものなのかも知れません。整備によるメリットと引き換えにデメリットがあることから、新潟県にとっても慎重にならざるを得ない、悩ましい問題なのかもしれません。